研究課題/領域番号 |
12470332
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
真崎 善二郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40038716)
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研究分担者 |
塚原 常宏 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70315208)
藤山 千里 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (80209113)
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キーワード | 細胞培養 / 人工臓器 / 尿路上皮 / 代用膀胱 / コラーゲン / 平滑筋細胞 / 線維芽細胞 |
研究概要 |
平成13年度は、in vitro上で人工膀胱を作成する実験を行った。 尿路上皮細胞の移植場所どして各種器官の有用性を探る目的で、ブタの膀胱を摘出して、各々の臓器で粘膜上皮層を、機械的あるいは化学的に処理して剥離後、その小切片の上でブタから単離した移行上皮細胞を単層培養した。組織培養をした小切片を3日目、7日目にホルマリン固定をして、通常の組織学的検査を行った。結果として、予想していた移行上皮細胞が重層して極性配列を有してくる尿路上皮化現象は認められず、上皮細胞の生着が良好ではなかった。そこで予備実験として、通常の培養条件下でブタ膀胱移行上皮細胞の生着時間を検討した。移行上皮細胞を培養皿に播種後、生着率とその時間経過を調べた。結果は播種後1時間では約50%の生着率で、6時間を過ぎると安定して播種細胞数の80%が生着していた。また、組織切片上で尿路上皮細胞を膀胱粘膜に分化させることに成功していないので、粘膜固有層を人工的にin-vitroで再構築して、その上で尿路上皮細胞を培養した。ブタ膀胱と小腸を利用して、各々粘膜固有層から線維芽細胞を単離して、これをコラーゲンゲル内に包埋して、膀胱粘膜固有層と小腸粘膜固有層に見立てた。この上で尿路上皮細胞を単離培養し、培養後3日目、7日目で固定し、組織標本を作製した。ブタ膀胱からの線維芽細胞の採取は良好で、その粘膜固有層上の移行上皮細胞は尿路粘膜上皮化は培養7日目で完成した。しかし、小腸からの線維芽細胞の採取は不良であった。さらに、人工膀胱として、平滑筋層、粘膜固有層、粘膜層の三層配列を確立する目的で平滑筋細胞をコラーゲンゲルの中に包埋して、平滑筋細胞の有無による移行上皮細胞の尿路粘膜への分化に対する影響を調べている。 いずれの培養条件も、まだ安定している結果が得られておらず、現在確立中である。
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