研究課題/領域番号 |
12470334
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
塚本 泰司 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50112454)
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研究分担者 |
舛森 直哉 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20295356)
高橋 敦 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20274946)
伊藤 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60193504)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 腎細胞癌 / Genestein / VEGF / PPAR-γ |
研究概要 |
本研究において以下の点を明らかにした。 1.Isoflavonoidの一種でチロシンキナーゼインヒビターであるgenisteinは、腎細胞癌の主要な血管新生因子であるVEGFおよびbFGFの発現をある程度抑制し、in vivo実験においても血管新生を抑制することが認められた。さらに、genisteinは濃度依存性に腎細胞癌の増殖を抑制した。以上より、genisteinは血管新生抑制効果と増殖抑制効果を有しており、腎細胞癌の新たな治療法の一つになりうる可能性が示唆された。 2.チロシンキナーゼインヒビター(genistein)によりVEGFの発現・産生および細胞増殖が抑制された事実から、VEGFの過剰発現とアポトーシス抵抗性の原因としてチロシンキナーゼ、特にc-srcの活性化を推測した。そこで、c-srcの遺伝子異常による活性化を解析したが、この異常を示さなかった。このことより、c-src以外の機序が関与しているものと思われた。 3.PPARγのリガンド投与により、VEGFおよびbFGFの発現・産生を抑制するとともに、腎細胞癌の増殖抑制、アポトーシス誘導が示された。PPARγリガンドであるピオグリタゾンは実際に糖尿病患者に投与されている薬剤であり、その通常量でも血管新生因子の発現抑制が認められることより、臨床応用も十分可能であるものと思われた。
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