研究課題/領域番号 |
12470344
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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研究分担者 |
有馬 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80253532)
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60214392)
松田 貴雄 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10304825)
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キーワード | Endometrial cancer / tumor suppressor gene / chromosome 1q42 / Ras / ERα / p53 / Cell senescence / MDM2 |
研究概要 |
1.1q42領域から子宮体癌抑制遺伝子候補3遺伝子を同定した。 2.子宮体癌細胞におけるRasシグナルの役割 a.ラット子宮内膜RENT4細胞の増殖にはRas/MAPK及びRas/P13/Aktの情報伝達系が促進的に機能した。さらにK-Rasを介するシグナルはMAPKシグナルを選択的に活性化し、アポトーシスの誘導に、H-RasはP13-K/Aktシグナルを選択し、アポトーシスの回避に機能することが示唆された。 b.ERαはRasの下流で機能し、NIH3T3細胞の形質転換に関与する。P14^<ARF>欠如下ではERαはC-Junを介してMDM2の発現を亢進し、p53蛋白の不安定化を導いた。Ras/ERαシグナルの存在は、p53蛋白不安定化を介してNIH3T3細胞の形質転換に関与することが示唆された。 c.Sodium Butyrate(NaB)は食物繊維の腸内消化過程で産生され、ヒストン脱アセチル化阻害作用を有する。NaBはRbシグナルが保持されている癌細胞においてp53非依存性p21蛋白発現によりG0/G1期停止及び細胞老化を誘導した。Rb蛋白の不活化されている癌細胞ではNaBはG0/G1及びG2/M期の両方への集積及び細胞老化を導いた。P53非依存性p21発現も誘導されていた。NaB処理は多くの細胞周期関連蛋白の発現を抑制し、細胞外マトリックス及び受容体発現を亢進した。 以上からp21により制御されるG0/G1期停止と細胞老化の誘導は異なる分子機構により制御されることが示唆された。
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