研究課題/領域番号 |
12470349
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
荒木 勤 日本医科大学, 医学部, 教授 (40089751)
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研究分担者 |
鈴木 俊治 日本医科大学, 医学部, 講師 (80291722)
澤 倫太郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (30267174)
米山 芳雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (00201096)
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キーワード | Ischemic Preconditioning / 胎児 / 脳 / Adenosine / 5'-nucleotidase |
研究概要 |
本年度はヒツジ胎仔脳虚血モデルを用い、胎仔脳組織におけるIPCによる虚血耐性発現の検討を行った。まず、ヒツジ胎仔慢性実験モデルの作成をした。妊娠125日前後の妊娠ヒツジ母獣にカテーテル類を装着する。さらに胎仔帯に臍帯オクルーダを装着し胎仔慢性実験モデルを作成した。次にIPCによる胎仔脳組織の虚血耐性発現機構の検討を行った。術後7日目に胎仔の臍帯血流遮断1分、再灌流10分を4回繰り返す、IPCを実施した。IPC後3日目に、脳障害必発モデルとして確立されている臍帯血流遮断5分、再灌流3分を4回繰り返した。3日後に胎仔脳を灌流固定し、脳障害の程度を検討した。また、同時にIPCを実施しない群をコントロールとして同様の実験を行った これらの結果として、以下の所見を得た、1.IPCを施行したほうが、虚血耐性が高まることが判明した。2.IPCを施行したほうが、虚血・再還流時にアデノシンの上昇が著明であることが判明した。この結果に基づき、来年度は、本年度と同様のIPCモデルを作成し、アデノシンのagonistおよびアデノシンの産生を増加させる5'-nucleotidaseをIPC前に投与、同様にアデノシンのantagonistである8-sulfophenyl-thephylline,prazocinなどをIPC前に投与し、アデノシンが虚血耐性発現において担う役割を検討する予定である。
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