研究課題/領域番号 |
12470350
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
神崎 秀陽 関西医科大学, 医学部, 教授 (80135566)
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研究分担者 |
松原 高史 関西医科大学, 医学部, 助手 (50229522)
斎藤 淳子 関西医科大学, 医学部, 講師 (00205650)
安田 勝彦 関西医科大学, 医学部, 助教授 (90174507)
中嶋 真由美 関西医科大学, 医学部, 助手 (00268351)
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キーワード | 不妊 / 着床障害 / 子宮内膜 / 分化関連遺伝子 / 性ステロイドホルモン / 増殖因子 / サイトカイン / 免疫細胞 |
研究概要 |
子宮内膜に形成されている局所免疫系が卵巣性ステロイドホルモンによる内分泌的な制御をうけている詳細について細胞・分子生物学的に検討するため、子宮内膜組織診、自然流産および人工妊娠中絶での子宮内膜掻爬手術などで得られた組織(子宮内膜組織、脱落膜組織、妊娠初期絨毛組織)を患者の同意のもとに採取した。まずこれら組織の一部を用いて免疫細胞の種類と分布を月経周期や妊娠の各時期別に詳細に免疫細胞染色で形態学的に評価して、黄体期中期以降で内膜内リンパ球が急増することを確認した。黄体期後期及び妊娠初期子宮内膜に含まれている免疫細胞としては、多数のナチュラルキラー(NK)細胞(CD56強陽性)が分離され、T細胞及びごく一部にナチュラルサプレッサー(NS)細胞としての機能を示唆するサブグループも認められた。B細胞はほとんど認められず、さらにマクロファージが多数存在した。そのため初期免疫応答の鍵を握る樹状細胞の存在についてもpreliminaryな証明をおこなった。組織の一部から遺伝子を抽出し、また組織は機械的及び酵素的に融解して、比重遠心法、付着細胞培養法で内膜細胞と免疫細胞を分離し、さらに各種モノクローナル抗体を用いた細胞ソーティングなどで各種免疫細胞をさらに解析した。またcDNA expression array法を用いた子宮内膜組織や間質細胞の培実験で、免疫幹細胞に深く関わるIL-15が間質細胞からプロゲステロン依存性に産生されること、またその分泌にはエストロゲンが重要であることなども見いだした。そのためIL-15とNKあるいはNS細胞の関係についても解析が進行中である。
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