研究課題/領域番号 |
12470363
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高木 均 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283596)
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研究分担者 |
万代 道子 京都大学, 医学研究科, 助手 (80263086)
桐生 純一 京都大学, 医学研究科, 講師 (80281096)
柏井 聡 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50194717)
西脇 弘一 京都大学, 医学研究科, 助手 (90303841)
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キーワード | 糖尿病網膜症 / アンジオポイエチン / 内皮細胞 / 周皮細胞 / アンジオランシン / VEGF / 血管増殖 / 透過性 |
研究概要 |
本研究では糖尿病網膜症や黄斑変性症などの眼内血管増殖疾患における内皮-周皮細胞間制御機構を明らかにしその制御により新しい眼内血管増殖疾患の治療法の開発を行う。このような内皮-周皮細胞間制御には最近同定されたアンジオポイエチンとその受容体であるTie2が重要な調節因子であると考えられる。網膜症眼でのレニンーアンジオテンシン系の役割が注目されているが、AIIが周皮細胞ではVEGFの分泌刺激となること、内皮細胞ではAng2を増加させることを見出した(Otani,et al.Diabetes in press,IOVS2000;41:1192)。さらにこの変化にはAT1受容体、PKC、VEGFのpromoterのAP-1領域を介するという結果を得た。網膜症における周皮細胞の脱落現象(pericyte loss)とAng2/Tie2systemの関係についても検討を行った。ストレプトゾトシン糖尿病ラットにおいてアンジオポイエチン1やTie2には変化がないものの、アンジオポイエチン2だけが選択的に発現増加することが見出された。また、アンジオポイエチン2の発現部位には周皮細胞が減少していることがin situ hybridizationおよび二重免疫染色により観察された。このことより網膜症初期においてアンジオポイエチン2が選択的に増加することにより周皮細胞脱落の原因となっていることが示唆される。Ang/Tie2 systemに加えてAIIやAT1受容体、AP-1などAng2やVEGFの発現制御機構の抑制により網膜症初期の周皮細胞の脱落や血管透過性亢進の制御が可能か今後検討を進めたい。
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