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2001 年度 実績報告書

眼ヘルペス感染症の免疫学的制御について

研究課題

研究課題/領域番号 12470365
研究機関鳥取大学

研究代表者

井上 幸次  鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)

研究分担者 渡辺 仁  大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60252673)
中曽 奈美  鳥取大学, 医学部・付属病院, 助手 (90335539)
馬場 高志  鳥取大学, 医学部, 助手 (40304216)
林 皓三郎  神戸市環境保健研究所, 所長(研究職) (20012726)
大黒 伸行  大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00303967)
キーワード角膜ヘルペス / T細胞 / 単純ヘルペスウイルス / DNAワクチン / gD / gD-IL-2 / サイトカイン / CD4細胞
研究概要

1.ヘルペスワクチンの点眼治療
ヘルペスウイルスのenvelopeに表現されているgDのうちsignal peptideを除いた部分をコードしているDNAとサイトカインのIL-2をコードしているDNAをtandemに組み込んだプラスミドを作製し、これを点眼の形でBALB/cマウスにワクチンとして投与した。点眼後数週間で、抗ヘルペス中和抗体価をはじめとする液性免疫、遅延型過敏反応・細胞傷害性T細胞をはじめとする抗ヘルペス細胞性免疫が誘発された。また、ワクチン投与マウスにおいては単純ヘルペスウィルス経角膜初感染マウスモデルにおいて初期の上皮型角膜ヘルペスの発症を抑制することはできなかったが、実質型角膜炎への進展を阻止した。
2.角膜ヘルペスにおける免疫組織学的検討
角膜ヘルペスにおける免疫反応のメカニズムを理解するにあたって、マウスのヘルペスウイルス経角膜初感染モデルにおいて浸潤細胞やサイトカインの動態を免疫組織化学的に検討した。その結果、好中球とNK細胞が感染後1日ですでに角膜内に侵入し、2日目にピークに達した。また、γδT細胞が感染後1-8日に認められた。CD4陽性細胞、CD8陽性細胞は3日目より認められ、4-6日でピークに達した。サイトカインについてはTh1サイトカイン(IL-2,IFN-γ)が細胞浸潤を認めた領域で陽性所見を認めたが、Th2サイトカイン(IL-2)は陰性であった。
3.アトピー性皮膚炎患者における角膜ヘルペス
アトピー性皮膚炎患者はTh2優位の疾患として知られているが、角膜ヘルペスを合併する例が多い。今回はウイルス分離・PCRなどの手法を用いてその臨床的特徴を検討した。実質型に比較して上皮型の再発が多く、両眼発症の例も多々認められること、皮膚で単純庖疹が広汎に発症するカポジ水痘様発疹に合併した角膜ヘルペスがあること、アトピー性角結膜炎にともなうshield ulcerとウイルス性の潰瘍の鑑別が困難であること、アシクロビル耐性株発生の可能性があることなどが挙げられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tomoyuki Inoue: "Topical Administration of SV gD-IL-2 DNA is highly protective against murine herpetic stromal karatitis"Cornea. 21. 106-110 (2002)

  • [文献書誌] Tomoyuki Inoue: "Immunohistological study of infiltrated cells and cytokines in murine herpetic keratitis"Acta Ophthalmol Scand. 79. 484-487 (2001)

  • [文献書誌] Yoshitsugu Inoue: "Ocular infections in patients with atopic dermatitis"International Ophthalmology Clinics. 42. 55-69 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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