研究課題/領域番号 |
12470368
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
真島 行彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40157186)
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研究分担者 |
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80178003)
大竹 雄一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30233159)
黒坂 大二郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20215099)
岩田 岳 国立病院東京医療センター, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 網膜神経節細胞 / プロモーター / マウスアミンオキシダーゼ / レーベル病 / イデベノン / ヒトアミンオキシダーゼ |
研究概要 |
前年度に、マウスの網膜特異的アミンオキシダーゼ遺伝子(AOC2)のクローニングしたが、その1,526bp上流にPsme 3遺伝子のPA-28 gammaユニットが存在し、一方、775bp下流にAOC3遺伝子が存在する。AOC3遺伝子は、1998年にvascular adhesion protein(VAP-1)遺伝子としてクローニングされ、AOC2遺伝子とは65%のホモロジーを持っている。VAP-1はアミンオキシダーゼ活性と血管内皮におけるリンパ球の接着因子の機能を持っており、炎症や免疫に関与する。更に、ラットのAOC2遺伝子のクローニングを試みたが、エキソン1はpseudogene化していたが、AOC3遺伝子は存在していた。従って、ラットにおいては、AOC3がAOC2の機能を代用している可能性が示唆された。今後はAOC2もAOC3と同様な機能を有するのか、更に2つの遺伝子の相互作用等検討する。 ヒトAOC2の産生蛋白である網膜特異的アミンオキシダーゼ(RAO)は糖化蛋白で、生成が困難であったが、最近生成することが出来た。RAOの機能として、GABAの合成酵素であることが想定されたが、実際に確認された。マウスAOC2遺伝子のプロモーターを発現ベクターに組み込み、ラット培養神経節細胞に導入した。 臨床的には、ミトコンドリア病である難治性視神経萎縮のレーベル病患者の視力回復率と視力回復において、イデベノンとビタミン療法の評価を行った。対象は11778変異をもつレーベル病患者14人で、発症時の平均年齢は平均14.8歳であった。その内、6人に対して、内服投与を行った。14人(28眼)中7人(11眼)において両眼または片眼の視力が0.3以上に回復した。7人中5人は内服治療が行われた。視力回復例では、ハンフリー視野検査にて中心暗点内の極一部に感度の良い領域が出現(fenestrated central scotoma)していた。SLO microperimetryにて、中心部は黄斑-乳頭線維領域で絶対暗点が存在し、鼻側で感度の良好な部位が存在した。レーベル病の障害の主体は黄斑乳頭線維であり、非可逆性と、非黄斑乳頭線維の機能回復により視力回復が起こると考えられた。
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