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2000 年度 実績報告書

グループスタディによる小児肝癌の治療確立をめざした生物学的予後因子の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12470372
研究機関千葉大学

研究代表者

大沼 直躬  千葉大学, 医学部, 教授 (50125910)

研究分担者 橋都 浩平  東京大学, 医学部, 教授 (50180815)
林 富  東北大学, 医学部, 教授 (40125638)
佐々木 文章  北海道大学, 医学部, 教授 (40178661)
中川原 章  千葉県がんセンター, 生化学部, 部長 (50117181)
檜山 英三  広島大学, 医学部, 講師 (00218744)
キーワード肝芽腫 / β-カテニン / APC / サイクリンD1
研究概要

日本小児肝癌スタディーグループ(JPLT)で中央管理されている68例の凍結検体を用い、肝芽腫の発癌機構の解明のため、β-カテニン遺伝子とAPC遺伝子の変異解析を中心に研究を行った。β-カテニンの遺伝子変異解析のため、exon1からexon16までの全長cDNAをカバーするように5組のPCRprimerを作成し、RT-PCRにより各部位を増幅し、電気泳動によるバンドシフトからcDNAのinterstitial deletionを検索した。変異を認めた例では、PCR産物をカラムにて精製し、ダイレクトシークエンスを行った。Genome DNAはβ-カテニン遺伝子の変異スポットであるexon3をSSCPにかけ、同様にダイレクトシークエンスを行った。APC遺伝子の変異解析は、YeastFunctional Assay法により行った。この結果、68例中44例(65%)にβ-カテニンのexon3に遺伝子変異を認めた。APC遺伝子には異常は認められなかった。変異β-カテニン蛋白のターゲットと目されるサイクリンD1、ファイブロネクチン、c-mycの発現をreal-time RT-PCRで48症例において半定量したところ、サイクリンD1はβ-カテニンの遺伝子変異をもつ肝芽腫で、変異のない肝芽腫、または正常肝細胞に比べ有意にその発現が高いことが明らかになった。15例の肝芽腫に対してβ-カテニン、サイクリンD1の発現と局在を免疫染色で解析したところ、遺伝子変異のある症例で核にβ-カテニンが陽性になるほか、変異がなくとも低分化型肝芽腫の細胞集塊に限局してβ-カテニンの核蓄積が認められた。これはサイクリンD1の染色パターンとも一致し、β-カテニンのgain of function mutationはサイクリンD1を活性化することで肝芽腫の進展に関与すると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hajime Takayasu: "Frequent deletions and mutations of the β-catenin gene are associated with over expression of cydinD1 and fibronectin and poorly differentiated histology in childhood hepatoblastoma"Clinical Cancer Research. in press.

  • [文献書誌] 大沼直躬: "日本小児肝癌グループスタディ"小児外科. 32・8. 798-805 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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