研究課題/領域番号 |
12470379
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
沢 禎彦 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70271666)
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研究分担者 |
山岡 雄司 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50322821)
吉田 重光 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80174928)
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キーワード | リンパ管 / PECAM-1 / CCL21 / TLR |
研究概要 |
1.正常組織内リンパ管の白血球接着因子およびケモカインの発現 リンパ管が発現する最も一般的な白血球接着因子はPECAM-1であると結論するに至った。さらには、リンパ管内皮細胞におけるケモカインの発現を検索し、ヒト腸管において中心リンパ管を含む粘膜固有層の毛細リンパ管が、cys-cys chemokine receptor ligand 21(CCL21)を発現することを見いだした。このことは、腸管毛細リンパ管がCCL21レセプター(cys-cys chemokine receptor 7,CCR7)を発現する樹状細胞やナイーブT細胞の組織からリンパ管への移入をCCL21によって誘導する可能性を、またPECAM-1とCCL21の両者がリンパ管内皮細胞と樹状細胞との接着に貢献する可能性を示唆するものである。 2.正常組織内リンパ管のToll-like receptor (TLR)の発現 ヒト腸管粘膜固有層の毛細リンパ管がTLR2およびTLR4を発現することを見いだした。このことは、腸管リンパ管がTLR発現能力を有すること、また腸管リンパ管内皮細胞がTLRを介した細胞内情報伝達を行う可能性を示唆する。 3.腫瘍組織解析 扁平上皮癌が浸潤した口腔組織についてPECAM-1、CCL21およびCCR7に対する抗体による免疫染色を行った結果、1)PECAM-1およびCCR7を発現している口腔扁平上皮癌は観察されなかった。また、2)リンパ管内皮細胞におけるPECAM-1およびCCL21の発現は観察されなかった。このことからPECAM-1とCCL21は口腔扁平上皮癌のリンパ管転移と関係しない可能性が示された。
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