研究課題/領域番号 |
12470381
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60089951)
|
研究分担者 |
中島 琢磨 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90256678)
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00014332)
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40013940)
入谷 昭男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教務職員 (20292972)
|
キーワード | ERK / EGFR / 増幅 / 口腔扁平上皮癌 / リン酸化 / マップキナーゼ / CGH / 酵母 |
研究概要 |
これまでの研究で17株のうち口腔扁平上皮癌細胞株の3つにcomparative genomic hybridization法でEGFRからERKに至る増殖シグナル系のマップキナーゼの1つERK2遺伝子座位を含む約1.7Mb領域の増幅を見い出した(Genes,Chromosomes Cancer 29:207-12,2000)。本年度においてはまず(1)この増殖シグナル系の異常をras変異の有無、EGFR増幅の有無とERK増幅の有無を基に口腔扁平上皮癌10株を選びウエスタンブロット法とリン酸化特異抗体等を用いて解析した。その結果3株でERKとリン酸化(活性化)ERKの過剰発現が認められ、このうち2株にはEGFで刺激した時MEK阻害剤でERKの活性化を阻害できた。また1つの細胞株ではEGFR,ERKともに発現量低かった。さらに2株にEGFRの過剰発現を認めたがERKを過剰発現している3株とは異なっており、従って両者が同じ道筋で働いているとのこれまでの知見と一致した。なおN-H-K-の各々のrasの活性化を検出できる系を確立した。(2)CGH解析法を用いて口腔扁平上皮癌臨床材料17症例について染色体7p12のEGFRと22q11.2-12のERK2の領域の同時増幅を調べたが、検出できなかった。これは細胞株でのこれまでのCGHの結果と蛋白質レベルでの結果とほぼ一致した。(3)ヒトERKのコード領域をすべて含むcDNAをPCR法で作成し、これをbaitにして正常ヒトcDNAライブラリーをpreyとし、酵母two hybrid法を用いてERK2と相互作用する候補クローンを幾つか分離し、tagをつけてヒト細胞に導入した。(4)口腔扁平上皮癌の病理切片を作成しERKの免疫組織染色を進めている。
|