研究課題/領域番号 |
12470382
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
前田 健康 新潟大学, 歯学部, 教授 (40183941)
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研究分担者 |
河野 芳朗 新潟大学, 歯学部, 助手 (60303129)
山本 仁 新潟大学, 歯学部, 助手 (80265165)
大島 勇人 新潟大学, 歯学部, 助教授 (70251824)
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キーワード | ルフィン神経終末 / 終末シュワン細胞 / TrkB / S-100タンパク / 神経損傷 / 発生 / 再生 / PGP9.5 |
研究概要 |
1.ラット切歯歯根膜ルフィニ神経終末に付属する終末シュワン細胞の発生学的動態をグリア特異蛋白の一つであるS-100蛋白の免疫組織化学と非特異的コリンエステラーゼの酵素組織化学を用いて検討した。シュワン細胞は出生直後から強い非特異的コリンエステラーゼ活性を示したが、発生が進むにつれ、終末シュワン細胞以外のシュワン細胞はこの酵素活性を消失した。また、終末シュワン細胞は生後15日以降、成熟切歯歯根膜にみられる形態と分布を示した。さらに神経線維の特異的マーカーであるprotein gene product 9.5とS-100蛋白の二重免疫染色により、歯根膜ルフィニ神経終末の軸索終末は終末シュワン細胞と接触後、急激に膨隆し、また軸索を伸展させることが明らかとなった。 2.ラット臼歯歯根膜を高親和性神経栄養因子の一つであるTrkBの免疫染色で検索したところ、歯根膜線維芽細胞ならびに歯根膜ルフィニ神経終末および終末シュワン細胞が強い免疫反応を示すことが明らかとなった。また、矯正力を付加すると経日的にその分布パターンを変化させ、組織改造現象とTrkBの免疫反応の出現に相関関係が存在した。 3.ラット下歯槽神経を切断した際の歯根膜ルフィニ神経終末に付属する終末シュワン細胞の動態をS-100蛋白の免疫組織化学により検討したところ、切断後5日で終末シュワン細胞はその形態を円形から紡錘形へと変化させ、さらに通常存在しないTooth-related partに遊走した。さらにルフィニ神経終末の形態の再生がほぼ終了する術後21日になると、その形態、分布域は正常に戻ることが明らかにされた。
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