研究課題/領域番号 |
12470384
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩本 容泰 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (30223431)
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研究分担者 |
豊澤 悟 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (30243249)
小川 裕三 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (10135725)
岩本 資己 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (80203644)
樋口 義信 中外製薬, 創薬研, 主査(研究職)
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キーワード | 軟骨形成 / 成長軟骨 / 内軟骨性骨化 / 永久軟骨 / erg / 転写調節因子 |
研究概要 |
本研究の目的は、成長軟骨と関節軟骨組織にそれぞれドミナントに発現するEts related geneの作用および発現制御機構を解析して、異なる運命をたどる両軟骨組織の発生機構を解明することである。本年度は、erg isoformの機能ドメインのマッピングを平成12年度に引き続き行なった。テナスチンCのプロモーターにホタルルシフェレースをレポーターとするレボーターplasmidを作成して、様々なc-ergおよびC-1-1の変異体(deletion mutant)とともに軟骨細胞あるいは線維芽細胞に導入し、レポーター遺伝子の発現レベルを測定した。その結果、コラゲナーゼIのプロモーターのレポーターplasmidを用いた場合と同様に、c-ergとC-1-1の転写活性発現にはEDBの3'側の領域が必須であることが判明した。また、C-1-1は、c-ergに比べて若干強い転写活性が検出されたものの、有意な差ではなかった。この結果より、軟骨細胞培養系で観察されるようなc-ergとC-1-1の作用の違いは、両者の構造の違いに起因する他の転写修飾因子との相互作用の違いによるものではないかと推測された。一方、昨年度クローニングしたマウスEts related geneの3種類のisoforms(c-ergのオルソログとEDBの5'側の72bpあるいは69bp部分がspliced outされたform)ならびに供与されたヒトのEts related geneの2種類のisoform(5'末端側が異なるが、一方はEDBの5'側の81bp部分を含み、もう一方は含まない)を組み込んだレトロウイルスを作成して、軟骨細胞に導入し、生物学的な作用の比較を行なっている。また、これらのEts related geneを用いたレポーターassayも行なっている。これまでのところ、EDBの5'側の81bp部分を含まないヒトのEts related geneに関しては、強力な軟骨細胞の最終分化抑制作用とレポーター遺伝子の転写促進活性が検出されている。
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