2001 年度実績報告書

トランスジェニックラットを用いたビタミンDの骨作用の解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号	12470392
研究機関	昭和大学
研究代表者	新木敏正昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)
研究分担者	片桐岳信昭和大学, 歯学部, 助教授 (80245802) 宇田川信之松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
キーワード	活性型ビタミンD / 24-水酸化酵素 / トランスジェニックラット / 単状糸球体腎炎 / メガリン / 25-ヒドロキシビタミンD / ビタミンD結合蛋白質 / 腎臓
研究概要	ビタミンDは抗クル病因子として発見されたビタミンDであることから、骨形成促進作用を有すると考えられる。我々は、ビタミンD充足状態で発現する腎臓のビタミンD-24-水酸化酵素の発現調節ならびに生理機能を解析し、本遺伝子が活性型ビタミンDによって特異的に誘導され、ホルモン自身の分解を制御する律速酵素であることを明らかにした。そこで、ビタミンDの作用を明らかにする目的で24-水酸化酵素のトランスジェニックラットを作製し、その性状解析を行ってきた。 24-水酸化酵素のトランスジェニックラットは種々の組織でその発現が促進しているにも拘わらず、血中24, 25(OH)_2D_3濃度が低下し、骨密度も減少していることが明らかになった。そこで、本研究では腎性骨異栄養症の新しい治療法を目指して、腎炎による蛋白尿が増加すると活性型ビタミンD合成の基質である25(OH)D_3が尿中に排泄されてビタミンDの作用障害が起こると考えられることから、25(OH)D_3投与による骨密度の改善をpQCT法により解析を行った。その結果、25(OH)D_3を24-水酸化酵素遺伝子のトランスジェニックラットに投与すると、著しい骨密度の改善が認められた。現在、腎性骨異栄養症にはビタミンDの活性型代謝産物が1α, 25(OH)_2D_3であり腎臓で合成されることから、投与されているが、1α, 25(OH)_2D_3の生体内半減期が極めて短いこと、又腎症では残存ネフロンの1α-水酸化酵素遺伝子の発現が亢進していることから、25(OH)D_3の投与が効果的と考えられ、evidence based medicineの基礎となる成果0に発展させる予定です。

研究成果

(7件)

すべてその他

すべて文献書誌 (7件)

[文献書誌] Itoh, K. et al.: "Importance of membrane-or matrix-associated forms of m-CSF and RANKL/ODF in osteoclastogenesis by SaOS-4/3 cells expressing recombinant PTH/PTHrP receptors"J. Bone Miner. Res. 15・9. 1766-1775 (2000)
[文献書誌] Udagawa, N. et al.: "Osteoprotegerin produced by osteoblasts is an important regulator in osteoclast development and function"Endocrinology. 141・9. 3478-3484 (2000)
[文献書誌] Wang, X. et al.: "Effects of geranylgeranoic acid in bone : induction of osteoblast differentiation and inhibition of osteoclast formation"J. Bone Miner. Res.. 17・1. 91-100 (2002)
[文献書誌] Masuno, H. et al.: "Rational Design, Synthesis and Biological Activity of Novel Conformationally Restricted Vitamin D Analogs, (22R)-and (22S)-22-Ethyl-1, 25-dihydroxy-23, 24-didehydro-24a, 24b-dihomo-20-epivitamin D_3"J. Med. Chem.. 45(in press). (2002)
[文献書誌] 新木敏正: "メガリンとビタミンDの活性化"Annual Review 腎臓2002. 35-40 (2002)
[文献書誌] 新木敏正: "25-ヒドロキシビタミンD_3-1α-水酸化酵素の発現調節について"日本臨床. (製本中). (2002)
[文献書誌] 新木敏正: "カルシウムと骨"朝倉書店. 440 (2001)

2001 年度 実績報告書

トランスジェニックラットを用いたビタミンDの骨作用の解明に関する研究

研究代表者

新木 敏正 昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)

研究成果

[文献書誌] Itoh, K. et al.: "Importance of membrane-or matrix-associated forms of m-CSF and RANKL/ODF in osteoclastogenesis by SaOS-4/3 cells expressing recombinant PTH/PTHrP receptors"J. Bone Miner. Res. 15・9. 1766-1775 (2000)

[文献書誌] Udagawa, N. et al.: "Osteoprotegerin produced by osteoblasts is an important regulator in osteoclast development and function"Endocrinology. 141・9. 3478-3484 (2000)

[文献書誌] Wang, X. et al.: "Effects of geranylgeranoic acid in bone : induction of osteoblast differentiation and inhibition of osteoclast formation"J. Bone Miner. Res.. 17・1. 91-100 (2002)

[文献書誌] Masuno, H. et al.: "Rational Design, Synthesis and Biological Activity of Novel Conformationally Restricted Vitamin D Analogs, (22R)-and (22S)-22-Ethyl-1, 25-dihydroxy-23, 24-didehydro-24a, 24b-dihomo-20-epivitamin D_3"J. Med. Chem.. 45(in press). (2002)

[文献書誌] 新木敏正: "メガリンとビタミンDの活性化"Annual Review 腎臓2002. 35-40 (2002)

[文献書誌] 新木敏正: "25-ヒドロキシビタミンD_3-1α-水酸化酵素の発現調節について"日本臨床. (製本中). (2002)

[文献書誌] 新木敏正: "カルシウムと骨"朝倉書店. 440 (2001)

2001 年度実績報告書

新木敏正昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)