研究課題/領域番号 |
12470394
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
二ノ宮 裕三 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50076048)
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研究分担者 |
重村 憲徳 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40336079)
三島 和夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (50117256)
笹本 一茂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (30128029)
石塚 智 九州工業大学, 工学部, 助教授 (40124804)
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キーワード | シナプス形成 / 甘味受容体 / レプチン受容体 / グルマリン感受性 / dbマウス |
研究概要 |
本研究は、グルマリン感受性(GS-SwR)及び非感受性(GI-SwR)の甘味受容体とレプチン受容体(Ob-Rb)を異なる組み合わせで発現するマウスを遺伝的に作出し用い、各受容体を発現する味細胞とそれにシナプスする味神経の選択性について分子遺伝学的及び神経生理学的に検索し、味細胞-味神経のシナプス形成と味細胞受容体関連分子発現の遺伝制御機構について検討することを目的としている。 A.遺伝的変異マウスのグルマリン及びレプチン感受性の行動学的及び神経生理学解析 C57-dbとBALBの交雑系の解析は昨年度と同様継続し行った。結果は昨年度と同様、神経応答と行動応答の対応がみられた。本年度は鼓索神経crush後の再生過程における、甘味応答の発現についての検索を中心に行った。Crush2週後では全く味神経応答がみられなかったが、crush3週後にショ糖、サッカリン、D-フェニルアラニンに対する応答が弱いものの見られることが分かった。しかし、グルマリンに対する感受性はこの時期ではみられなかった。さらにcrush4週後から甘味応答が増大し、グルマリンによる抑制効果も認められるようになった。したがって、3-4週にかけてグルマリン感受性の受容体の発現がみられるものと推定された。 B.GS-SwR発現の組織学的検索及びOb-RmRNA発現の解析 昨年までのOb-Rの発現をRT-PCR法で調べた研究により、味細胞にOb-Rbの発現が確認されていたが、本年度はin situ hybridization法によりOb-RbmRNAの発現を確認した。さらにその下流に位置する細胞内伝達系のSTATの発現をRT-PCR法で調べたところ、STAT3がもっとも強く発現することがあきらかになった。したがって、味細胞ではOb-RbからSTAT3を経て、甘味応答を抑制する可能性が示唆された。
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