研究課題
動体機能解析用3次元CTとは、ピンホールカメラの原理及び口腔内X線撮影用のCCDセンサーを利用し、散乱線の影響を極力排除した画質で、TVレートでの断層像を得るCT装置のことで、本研究では、動体機能解析用3次元CTを実現するための問題点を明らかにする事をその研究目的としている。本年度は、検出器、X線発生装置の幾何条件及び、画像再構成アルゴリズムの検討を行う為に、モンテカルロシミュレーション用パーソナルコンピュータを購入し、モンテカルロシミュレーションプログラムであるEGS4をインストールし、このEGS4プログラムを用いてX線発生装置、測定対象物(被写体)とピンホールカメラ間の位置を決定する為の基礎データの取得を行った。また、単純なサンプル試料を透過してきたシミュレーション結果から、水平面においてはこれまでと同様なフィルター逆投影法にて画像再構成が行える事を確認した。次年度に行う実験に利用するファントムを動かすテーブルについてコンピュータコントロールが行えるようにステッピングモータの制御装置の整備を行い、専用のプログラムを作成することにより、任意の水平面内でXY方向への移動及び回転が自由に行えるようになった。実験に用いるX線発生装置のビームプロファイルを確認するために当研究室所有のCdTeアレーディテクタの改良とネットワーク対応のデータ取得装置の製作を行い、X線ビームプロファイルの測定が行え次年度以降の実験に対して問題がないことを確認した。