研究課題/領域番号 |
12470399
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
仙波 伊知郎 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (60145505)
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研究分担者 |
田沼 順一 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (20305139)
平山 喜一 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (50343364)
北野 元生 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (10142118)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 4NQO誘発舌癌 / ラット舌癌モデル / 舌癌感受性遺伝子 / マイクロアレイ / シグナル解析 / クラスター解析 / シグナル比 / NQO1遺伝子 |
研究概要 |
我々は我々の開発した4-nitroquinoline 1-oxido (4NQO)誘発ラット舌癌モデルを用いて舌癌感受性遺伝子を検索する目的で、マイクロサテライトの多形性を利用した遺伝子解析を試みたところ、舌癌発生に関与する複数の遺伝子(座)=Quantitative trait loci (QTL)を見出すことができた。次に我々はシンテニーマップ解析と遺伝子の発癌に関連する情報から、これらQTLの候補遺伝子として取りあえず18個の遺伝子を選び出した。今回は舌癌好発系DAラットおよび嫌発系WFラットを用い、通例にしたがって4NQO誘発によるラット舌癌を作成し、直径15mmの舌癌舌癌組織よりmRNAを抽出し、クロンテック社のカスタムアレイ(4000スポット)を用いて、ハイブリダイズさせたのち、シグナル解析およびクラスター解析を行った。DAラットに生じた直径15mmの舌癌と正常舌粘膜とのシグナル比が3倍以上の高発現、および1/3以下の低発現を示したスポットの数はそれぞれ337、220ヶであった。WFラットに見られた直径5mmの舌癌と正常舌粘膜とのシグナル比については、高発現および低発現のスポットの数はそれぞれ182、81ヶであった。候補遺伝子の一つに上げられていたNQO1 (DT-diaphorase)遺伝子については、DAラットではシグナル比が3倍以上であるのに反して、WFラットでは1/3以下であり、その発現に明かな乖離が認められた。同様の傾向を示した遺伝子はHa-ras、K-ras、などが上げられた。一方、DAラットで比が1/3以下であり、WFラットで高い比を示したスポットにP53、cyp2a、cyp2bなどが上げられた。なお、GstpおよびPthrpでは双方ともにラットの舌癌で3倍以上の高値を示した。この結果、これら遺伝子が舌癌の発生に極めて関連が高いことが示唆されたと言って良いと考えられたが、他の分子生物学的検索や、臨床的検索を今後継続的に行う必要があると考えられた。
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