研究分担者 |
梅原 久範 京都大学, 医学部, 助教授 (70247881)
福島 久典 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (50103099)
今井 久夫 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80067024)
宮前 雅見 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20298821)
長野 豊 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80228048)
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研究概要 |
辺縁性歯周炎の発症過程における免疫担当細胞と血管内皮細胞との相互作用は,重要な役割を担っている.我々は,単球系細胞株であるTHP-1細胞がインテグリン分子と同時に,フラクタルカインルセブターであるCX_3CR1を発現していること,および可溶性フラクタルカインはTHP-1細胞のICAM-1やファイブロネクチンに対する接着能を増強することを明らかにした(Immunol. Cell. Biol.79:289-302,2001). 続いて,フラクタルカインのNK細胞活性に及ぼす影響と血管内皮細胞との相互作用について検討を行った.NK細胞は,フラクタルカインレセプターを発現し,固層化フラクタルカインに対して著明な接着能を示した.また,可溶性フラクタルカインは,NK細胞からの穎粒放出を濃度依存性に増強し,K562腫瘍細胞に対するNK細胞活性をも増強することを明らかにした.さらに,我々が作成したフラクタルカイン遺伝子導入ECV304細胞(血管内皮細胞株)およびHUVEC(胎児血管内皮細胞株)をtargetにNK細胞活性を検討したところ,フラクタルカイン発現血管内皮細胞は,コントロール血管内皮細胞に比べ著明に傷害されていた.これらの結果は,フラクタルカインが接着分子としてNK細胞と血管内皮細胞とを結合させているのみならず,NK細胞上のCX_3CRlがNK細胞活性化レセプターとして機能していることを示していると考えられた.すなわち,血管内皮細胞上でのフラクタルカインの発現は,CX_3CR1発現細胞の集積を起こし血管内皮細胞自身を傷害している可能性を示唆していると考えている(J.Immunol.164:4055・4062,2000,Trends in Immunol.11:602-607,2001).
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