研究課題/領域番号 |
12470404
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30126263)
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研究分担者 |
森本 展行 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (00313263)
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
秋吉 一成 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
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キーワード | 脱灰象牙質 / 樹脂含浸層 / 接着メカニズム / ウェットボンディング法 / 青色レーザーパタイト / 走査電子顕微鏡 / 走査プローブ顕微鏡 / 透過電子顕微鏡 |
研究概要 |
研削によって歯質表面に生成したスミヤー層はレジンの接着の障害となるため、脱灰剤により除去を行う。副次的に生じた脱灰象牙質にレジンを拡散させそこで重合させるこことにより強固な接著力が得られる。表面処理の条件によってはレジン重合後も口腔内で加水分解を受けやすい脱灰象牙質が残留する場合があり接着の長期安定性を妨げる要因となる。脱灰象牙質の残留を防止し、安定な接着を得るためには象牙質の主成分であるコラーゲンの高次構造を変化させないこと、脱灰される象牙質の厚さをできるだけ薄くすることが大切である。そのため、スミヤー層をできる限り穏やかな脱灰剤で処理し、ハイドロキシアパタイトが多く、樹脂含浸象牙質層中の樹脂含量の多い層を形成させることが大切となる。表面処理により変化を受けた象牙質被着体の状態が接着の再現性、長期安定性を左右する重要な因子である。象牙質被着体の変化を考慮した解析を行うため接若試料の縦断面について走査プローブ顕微鏡、走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡による観察も行った。 スミヤー層除去にEDTAなどの脱灰剤を用いると1μm〜2μmの極めて薄い層の象牙費表層の脱灰が可能であり、この層に含浸れたモノマー重合し、極めて安定した樹脂含浸象牙質層が形成されることが確かめられた. 脱灰象牙質層に拡散したモノマーの重合には、ハロゲンランプのほかに473nmの波長を有する青色レーザー光源を利用することも有効であることがわかった. これにより、市販の歯科用接着剤についても安定して接着させることができるシステムを確立できた。
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