研究概要 |
マウス歯根膜組織から株化歯根膜細胞を確立し破骨細胞分化支持能の有無を指標としてスクリーニングを行い各株化細胞のOPG/OCIFとOPG/OCIF ligandのmRNAの発現をPCR法およびNorthern blot analysisにより検索することを本年度の研究目的とした。その結果、312種類のマウス株化歯根膜細胞を単離、確立した。すべてのマウス株化歯根膜細胞をType I collagen上にconfluentになるまで培養後、1×10^4cells/dishのマウス骨髄細胞を播種し、20%FCS、10^<-8>M1α,25(OH)2D3、および3×10^<-8>M Dexamethazone含有のα-MEM中で7日間培養することにより破骨細胞の誘導を行った結果、7株化細胞に破骨細胞誘導能が認められた。7株化細胞のうち3株化細胞(MPDL-7,27,30)には破骨細胞分化支持細胞であるMC3T3-G2/PA6と同等の破骨細胞分化誘導能が示されたため、これらの細胞のOPG/OCIFmRNAとODFmRNAの発現をPCR法で確認した結果、すべての細胞にODFmRNAの発現が認められた。また、MPDL-27,30にはOPG/OCIFmRNAの発現が認められた。一方、破骨細胞誘導能が認められなかったマウス株化歯根膜細胞のMPDL-19,20にはOPG/OCIFmRNAの発現が認められたが、ODFmRNAの発現は認められなかった。現在までの結果においては、破骨細胞の分化誘導能の有無はOPG/OCIFとOPG/OCIFligandのシグナルの有無と相関した結果であった。
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