研究概要 |
申請時においては,スタディーモデルの3次元形態のデータと顎骨のCTデータを合成することで,コンピュータ画面上に具体的なイメージ画像を映写して,精度の高いインプラント埋入のシミュレーションが可能なソフトの開発を目的とした.結果,コンピュータシミュレーションはほぼ完成した. さらに,ソフトで有限要素解析を加えることにより,インプラントの力学的な安定性を予測できるソフトへ改良を手がけている.さらに,コンピュータシミュレーションに加えて,インプラントの外科手術までのトータルシステムとして,CAD/CAMによる手術用ガイドならびに手術支援用ジャイロも加えて,これらをベースとした基本的特許の申請を行った.以下にシステムの特徴を示すが,現在もシステム全体の研究を行っており開発中である. (1)コンピュータシミュレーション:模型データとCTデータの合成により金属のアーティファクトのない高い画像精度が得られ,安全な手術を可能とするシミュレーションソフトを開発できた.さらに,数値解析(有限要素法)によって予知性の高い安定したインプラントの埋入位置を予測可能なソフトへと修正中である. (2)CAD/CAMによる手術用ガイド:シミュレーションをCAD/CAMにより手術に反映させて,安全な手術の実行を目的する手術用治具.手術用ガイドは,アクリル樹脂をミリング加工することで作成されるが,そのCAD/CAMソフトを作成中である. (3)手術支援用ジャイロ:ガイドが使用できない場合やガイドとの併用によって,さらに安全を求めた小型の手術用装置.シリコンジャイロを原理としており,手術中のインプラント埋入角度のズレや手ぶれなどの人的エラーを検知可能であるが,その小型装置も開発しつつある.
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