研究分担者 |
中西 徹 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30243463)
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00225195)
荒川 光 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30304314)
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研究概要 |
前年度において,ex vivo実験の前段階として、マウス骨芽細胞株であるMC3T3-El cellを用いたin vitroでのCTGF遺伝子の発現とCTGF蛋白の産生を確認した。本年度は,ex vivo遺伝子導入実験を行うためラット大腿骨に実験的骨欠損を作製予定であったが,口腔内での臨床応用が最終目的となるためラット上顎骨に骨欠損を作製することを考えた。まず,上顎第大臼歯を抜歯しその治癒過程を観察した。その結果,抜歯後の治癒は5週齢のラットで,約14日で完了することが確認された。また,その治癒過程においてCTGFの発現観察を行ったところ,抜歯後初期においては血管内皮細胞や線維芽細胞などにCTGFの発現が強く認められ,肉芽組織形成に関与しているものと推察された.また,化骨期においては骨芽細胞に強い発現が認められたことから,CTGFは抜歯創治癒過程すなわち骨再生過程全般において重要な役割をしているものと考えられた.以上の結果と昨年度の結果からアデノウイルスベクターによる遺伝子導入法を用いて骨増生を行う際,CTGFが非常に有用な因子であることが示唆された.現在,ex vivo実験として,抜歯創治癒後に同部位に骨欠損を作製し,その部位から骨芽細胞を採取し培養を試みている.また,最終的には培養した骨芽細胞がインプラント体(チタン)に生着することを考慮しなければならないので,培養プレート上にチタンプレート(2cmX2cm)を置いた条件下で骨芽細胞を培養しており,その結果では骨芽細胞はチタンプレート上で増殖・分化し,チタンプレートに生着することが確認された。引き続きex vivo遺伝子導入法の確立実験を行う予定である.
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