研究課題/領域番号 |
12470432
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鄭 漢忠 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80180066)
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研究分担者 |
長谷川 智一 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50274668)
土門 卓文 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50217618)
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
吉村 善隆 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30230816)
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00109456)
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キーワード | 口腔癌 / 顎骨浸潤 / 共存培養 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / インターロイキン / ODF / RANKL / OPG / OCIF |
研究概要 |
口腔癌が顎骨に浸潤してしまい、その結果骨の離断などにより顔面の審美性が著しく損なわれるばかりでなく、機能的にも多大なる障害を被ることが多い。腫瘍の顎骨浸潤の可能性の早期診断ならびに顎骨浸潤を抑制する治療法を考案することが必要である。そこで本研究においては口腔癌細胞が破骨細胞を誘導・活性化する機構について検討することにした。 現在、口腔癌細胞の放出するインターロイキン-6(IL-6)が破骨細胞誘導と活性化に重要とされている。今回、われわれは破骨細胞の誘導・活性化に関与することが知られている他の因子について検討した。骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養系において顎骨浸潤能が高い口腔癌細胞の培養上清を添加すると破骨細胞様細胞の誘導が有意に増加した。また、この癌細胞においてはIL-6をはじめとしてIL-1b、腫瘍増殖因子b(TGF-b)等のサイトカインのmRNAの発現が認められた。さらに、この細胞の培養上清を骨芽細胞に作用させると骨芽細胞におけるCOX-2 mRNAの発現を増加させるとともに破骨細胞分化誘導因子(ODF/RANKL)mRNAの発現を増加させ、同時に破骨細胞形成抑制因子(OPG/OCIF)の発現を減少させることが明らかになった。 癌細胞は、浸潤部位で破壊された骨中に含まれる増殖因子を利用してさらに増殖することが推測されている。本研究によりOPG/OCIF等を用いて破骨細胞を抑制することで癌細胞の増殖を抑制させる可能性があることが示唆された。
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