研究課題/領域番号 |
12470433
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
木村 博人 弘前大学, 医学部, 教授 (90142851)
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研究分担者 |
佐藤 寿 弘前大学, 医学部, 助手 (90311539)
福井 朗 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (70241479)
小林 恒 弘前大学, 医学部, 助教授 (50234860)
楠美 昭則 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (90332494)
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キーワード | 骨芽細胞 / メカニカルストレス / 周期的細胞伸展 / 定量RT-PCR / 一酸化窒素 / MAP kinase / sRANKL / Osteoprotegerin |
研究概要 |
申請者は、骨芽細胞のメカニカルストレスに対する生物学的な反応について解析し以下の結果を得た。 1.培養骨芽細胞に対する機械的負荷の方法とNOの産生 骨芽細胞への機械的負荷により一酸化窒素(NO)の産生が認められた。0.25Hz、7%の周期的一軸方向伸展刺激において培養土清中のN0_2^-産生量は最大値を示し、iNOSの発現も認められた。以後この条件で検討した。 2.COX-2産生の解析 骨芽細胞を4時間、12時間伸展して、プロスタグランジン合成酵素(COX-2)mRNAの発現量を定量RT-PCR法でLightCycler(申請備品)を用いて解析した。無刺激に比べ伸展刺激でCOX-2mRNA発現量は有意に増大し、12時間刺激では4.5倍の発現量が認められた。サイトカイン産生量、サイトカインレセプターの発現量には有意な増減は見られなかった。 3.細胞内シグナル伝達系の活性化 骨芽細胞内のシグナル伝達系のうち、特にMAP kinase(MAPK)familyの活性化について検討した。伸展刺激開始から0分、10分、20分、30分、45分で骨芽細胞を溶解採取し、western blotting法で解析したところ、p38MAPKの活性化は亢進したが、p44/p42MAPKとSAPK/JNKには変化が認められなかった。さらに、1日4時間刺激を1〜3日間加えると、p38MAPKの活性化は保たれていたが、p44/p42MAPKの活性化は減少し、SAPK/JNKの活性化は3日間変わらなかった。このことから、伸展刺激によりp38MAPKの活性化が誘導されることが示された。 4.メカニカルストレスに対する骨芽細胞の生物学的反応 培養骨芽細胞には分泌型破骨細胞分化因子(sRANKL)と破骨細胞形成抑制因子(Osteoprotegerin/OPG)の発現が見られた。これに、1日4時間3日間の伸展刺激を加えると、sRANKLの分泌は抑制されるのに対しOPGの産生は促進された。 以上、1〜4の結果から、骨芽細胞の伸展刺激は骨形成を誘導することが示唆された。
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