研究課題/領域番号 |
12470435
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤内 祝 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50172127)
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研究分担者 |
小林 猛 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10043324)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 口腔癌 / VX7移植舌腫瘍 / 温熱療法 / 磁場誘導組織内温熱療法 / 放射線療法 / 温熱放射線療法 / マグネタイトカチオニックリポソーム(MCLs) |
研究概要 |
VX-7移植舌腫瘍に対してMCLsを局注し、まず磁場誘導組織内温熱療法単独の抗腫瘍効果を検討した。腫瘍径が約10mmになった時点(移植後10日目)で舌腫瘍内にMCLsを0.4ml(MCLs:3.3mg)を注入した。温熱療法は30分の1回加温とした。移植舌腫瘍内にMCLsのみの局注を行った兎を対照群とした。その結果、腫瘍中心部も腫瘍辺縁部も磁場照射開始直後より温度は急激に上昇し、中心部は3分後、辺縁部は5分後に抗腫瘍効果の得られる43℃が観察された。温熱療法中の温度は安定しており、終了と同時に温度は急激に降下し、5分後には元の温度に回復した。温熱療法4週後には治療群においては腫瘍は著明な減少を示し、病理組織学的検討においても、腫瘍細胞はみられなかった。一方、対照群では舌の原型を留めないぐらいの腫瘍の増殖がみられるか、または死亡し、計測が不可能であった。次に温熱療法と放射線併用療法の抗腫瘍効果を検討した。舌腫瘍内にMCLsを0.2ml局注した温熱療法単独群、10Gy照射単独群、温熱放射線併用群、対照群で検討した。その結果温熱療法単独群、放射線治療単独群では腫瘍の減少はみられなかったが、温熱放射線療法併用群では腫瘍の減少が認められた。臨床的にMCLsを腫瘍内に局注の場合、完全に充満を確認することが困難である場合も十分に考えられ、そこで放射線療法を併用することによってMCLsの腫瘍内の完全な充満が得られない場合でも抗腫瘍効果が認められ、きわめて有用であると思われた。
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