研究課題/領域番号 |
12470451
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
古澤 清文 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (90165481)
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研究分担者 |
中山 洋子 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (30308647)
田中 三貴子 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (40247531)
安田 浩一 松本歯科大学, 歯学部, 助教授 (30230220)
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キーワード | 自律神経 / 神経節 / 上気道 / 交感神経 / 副交感神経 |
研究概要 |
申請者らによるラットを用いたこれまでの研究で、オトガイ舌骨筋は舌下神経本幹を経由する体性神経系と、頸神経ワナ経由で副交感神経様の電気生理学的特性を有する神経系からの2重支配を受けていることを明らかにした。平成14年度は、頸神経ワナ経由の神経系の節後ニューロンの免疫組織化学的特性について検討した。実験にはWistar系ラットを用い、塩酸ケタミン0.1-0.2mg/gの腹腔内麻酔下で、甲状舌骨筋枝より末梢側の頸神経ワナと舌下神経の内・外側枝およびオトガイ舌骨筋枝を含む舌下神経本幹を摘出し、Zamboi固定液に浸漬した後、樹脂包埋した。厚さ4μmの連続切片を作製し、シランコートスライドガラスに切片を貼付した。1次抗体として抗acetylcholine receptor抗体、抗muscarinic M_1 receptor抗体、抗Vasoactive Intestial Peptide (VIP)抗体あるいは抗Tylosine Hydroxylase(TH)抗体を用いた一連の免疫組織化学染色を施した後、ヘマトキシリンで核染色を行い、光学顕微鏡にて観察した。その結果、抗VIP抗体陽性細胞が舌下神経の内・外側枝の分岐部から中枢側約1.5mm付近に1匹あたり平均10.3個確認され、それらの平均細胞直径は30.1±1.2μmであった。また、抗acetylcholine receptor抗体陽性細胞と抗muscarinic M_1 receptor抗体陽性細胞もほぼ同様の範囲に観察され、抗acetylcholine receptor抗体陽性細胞はラット1匹あたり平均11個、平均細胞直径は29.7±1.2μm、抗muscarinic M_1 receptor抗体陽性細胞は1匹あたり平均10.3個、平均細胞直径は、30.1±1.5μmであった。なお、抗TH抗体陽性細胞は観察されなかった。以上の免疫組織化学的染色結果は、平成13年度の電気生理学的実験結果を支持していることから、頸神経ワナ経由の神経系は副交感神経であることが明らかとなった。
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