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2002 年度 実績報告書

受精卵移植法による口唇口蓋裂発生の母体環境因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12470452
研究機関愛知学院大学

研究代表者

夏目 長門  愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学第二講座, 特殊診療科教授 (90183532)

研究分担者 新美 照幸  愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学第二講座, 助手 (60291762)
豊田 哲郎  愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学第二講座, 助手 (10308786)
古川 博雄  愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学第二講座, 助手 (70291763)
大林 修文  愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学第二講座, 助手 (00322545)
キーワード口蓋裂 / glucocorticoid(GCS) / 受精卵移植 / ddyマウス / C57BL / 6マウス / 発生工学 / Dexamethasone
研究概要

【目的】
糖コルチコイド(GCS)の誘発口蓋裂マウスの研究において系統差が見られることはすでに知られている。その原因は胎仔の遺伝的な要因が指摘されているが、母体の要因を示唆する報告が同様に見られる。従来の研究においては自然交配したマウスを使用していたため、胎仔の遺伝的要因と母体の要因が混在しており、異系統間で母体の要因の検討は困難であった。本研究では、受精卵移植を用いることにより遺伝的な要因と母体の要因を分離して母体の要因について検討した。
【材料及び方法】
受精卵の供与体として、GCS誘発により高い口蓋裂発生率を示す系統であるddYマウスを用いた。被供与体として、ddYマウスおよびGCS誘発口蓋裂の発生率がより低いC57BL/6マウスを用いた。自然交配したddYマウス、C57BL/6マウスにGCSを投与した群を実験1とし、受精卵移植を行いGCSを投与しない群を実験2とし、発生率について比較した。そして受精卵移植を行いGCSを投与した群を実験3とした。受精卵移植法は角田の報告に従った。GCSは妊娠11日目においてデキサメタゾンを皮下注射した。各群は妊娠18日目に観察を行い、そして口蓋裂の発生率を分析した。データはフィッシャー直接確率計算にて分析した。
【結果】
実験1で、ddYマウスの口蓋裂の発生率は96%を示し、C57BL/6マウスで20%を示した。実験2では、口蓋裂の発生率は0%であった。実験3で、ddYマウスの受精卵を同系統のマウスに移植した群での口蓋裂の発生率は95%を示しC57BL/6マウスに移植した群では29%を示した。実験1においては自然交配したddYマウスおよびC57BL/6マウスにおいてGCS誘発口蓋裂の発生率に有意な差が認められた。実験2において口蓋裂の発生が認められないため、実験3における口蓋裂はすべてGCSによって誘発されたと推測される。胎仔の遺伝的要因は同程度と考えられるが、実験3において、同じ系統の受精卵を移植したにもかかわらずGCS誘発口蓋裂の発生率に有意な差が認められた。GCS誘発口蓋裂は母体の要因に強く支配されていると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 千田拓治: "マウスにおける糖コルチコイド誘発口蓋裂の発生率の子宮環境による差異についての実験的研究"愛知学院大学歯学会誌. 41. 1-9 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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