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2002 年度 実績報告書

ヒト歯根膜細胞における伸展活性化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 12470455
研究機関北海道大学

研究代表者

白川 哲夫  北海道大学, 歯学部附属病院, 助教授 (00187527)

研究分担者 菊入 崇  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10322819)
キーワード歯根膜細胞 / 伸展刺激 / receptor activator of NF-kappa B Ligand / osteoprotegerin / リアルタイムRT-PCR法 / 破骨細胞 / vascular endothelial growth factor / 血管新生
研究概要

前年度に続き、矯正治療の必要上抜去された永久歯から歯根膜細胞を分離し、底部がシリコン製の培養プレートに細胞を播種し、FLEXERCELL STRAIN UNITを用いて下方への伸展力を加えた。伸展刺激を加えた細胞について、receptor activator of NF-kappa B ligand (RANKL)、osteoprotegerin (OPG)のmRNA発現をリアルタイムRT-PCR法によって調べたところ、伸展刺激を加えた細胞では対照群に比べRANKL mRNAの発現量が35%減少していたのに対し、OPG mRNAは370%に増加していた。また歯根膜細胞とマウス骨髄細胞との共存培養下で、破骨細胞の分化誘導に歯根膜細胞への伸展刺激がどのような影響を与えるかについて検討したところ、伸展刺激を加えた系では誘導された破骨細胞の数が有意に少なかった。
以上の結果は、伸展刺激が歯根膜細胞での遺伝子発現に影響を与え、破骨細胞の分化を抑制する方向に働くことを示している。一方で静置培養系においてビタミンD_3とデキサメサゾンの投与により破骨細胞を強制誘導させた系ではOPGの著明な減少がみられたことから、歯根膜細胞によるOPG産生が破骨細胞の分化の抑制に重要と考えられた。さらに歯根膜での血管新生に伸展刺激がどのように関与しているかに着目し、歯根膜細胞に伸展刺激を加えた後vascular endothelial growth factor (VEGF) mRNAの発現をリアルタイムRT-PCR法によって調べたところ、30分の伸展刺激によりVEGF mRNAは140%まで増加した。この結果は、伸展刺激により歯根膜細胞が血管新生に対し促進的に働くことを示唆しており、咀嚼による歯への機械的刺激が歯周組織での血液循環を高め、組織の代謝や骨新生を促進させるというこれまでの知見とも一致する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hasegawa, T.: "Human periodontal ligament cells derived from deciduous teeth induce osteoclastogenesis in vitro"Tissue & Cell. 34(1). 44-51 (2002)

  • [文献書誌] Hasegawa, T.: "Expression of receptor activator of NF-Kappa B ligand and osteoprotegerin in culture of human periodontal ligament cells"Journal of Periodontal Research. 37. 405-411 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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