研究課題/領域番号 |
12470455
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白川 哲夫 北海道大学, 歯学部附属病院, 助教授 (00187527)
|
研究分担者 |
土岐 志麻 北海道大学, 歯学部附属病院, 助手 (10312373)
長谷川 智一 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50274668)
菊入 崇 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10322819)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
キーワード | 歯根膜細胞 / 伸展刺激 / receptor activator of NF-kappa B ligand / osteoprotegerin / リアルタイムRT-PCR法 / 破骨細胞 / vascular endothelial growth factor / 血管新生 |
研究概要 |
本研究では、ヒト歯根膜由来線維芽細胞(hPDL細胞)が伸展力負荷に対してどのような応答性を有するかを調べる目的で実施した。特に、破歯細胞の分化調節ならびに血管内皮増殖因子(VEGF)発現にどのように関与しているかに焦点をあて、以下のことを明らかにした。 1)10%FCSを含むαMEMを培地として用いた静置培養条件において、hPDL細胞が活性型ビタミンD_3およびDexamethasone (Dex)の存在下で、receptor activator of NF-kappaB ligand (RANKL) mRNAおよびosteoprotegerin (OPG) mRNAを発現していることをRT-PCRならびにNorthern blot法により確認した。 2)hPDL細胞とマウス骨髄細胞との共存培養において、破骨細胞の誘導を目的として活性型ビタミンD_3およびDexを同時投与したところ、骨髄細胞密度が低い場合にはtartrate-resistant acid phosphatase (TRAP)陽性の多核細胞は誘導されなかったが、高密度では誘導が認められた。また低密度でも抗OPG抗体の存在下でTRAP陽性多核細胞が多数誘導された。 3)伸展刺激により、hPDL細胞によるRANKL mRNA発現は抑制され、OPG mRNA発現は上昇することをReal-time RT-PCR法で確認した。また培養液中のOPG濃度は、伸展刺激を加えたhPDL細胞培養系で増加していた。これらのデータはhPDL細胞への伸展刺激が破骨細胞誘導に抑制的に働くことを示している。 4)伸展刺激を加えたhPDL細胞とマウス骨髄細胞とを、活性型ビタミンD_3およびDex存在下で共存培養したところ、TRAP陽性多核細胞の発現は、静置培養したhPDL細胞を用いた場合に比べ少なかった。 5)10%FCSを含むαMEMを培地として用いた静置培養条件において、hPDL細胞がVEGF mRNAを発現していること、またVEGFが培養液中に分泌されることをRT-PCRならびにELISA法により確認した。 6)伸展刺激により、hPDL細胞によるVEGF mRNA発現は上昇した。また培養液中のVEGF濃度は、伸展刺激を加えたhPDL細胞培養系で増加していたことから、伸展刺激はhPDL細胞でのVEGF産生、さらには歯根膜での血管新生に促進的に働くことが明らかになった。
|