HIV-TatとRNAアプタマーの複合体の立体構造決定に基づくドラッグデザイン

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12470487
• 研究機関: 横浜国立大学
• 研究代表者: 片平 正人 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (70211844)
• 研究分担者: 上杉 晴一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (70028851)
• キーワード: HIV / Tat蛋白質 / RNA / アプタマー / NMR / 立体構造 / 蛋白質-RNA相互作用 / ドラッグデザイン

研究概要

HIVのTat蛋白質に対して非常に高い親和性を示すRNA分子(RNAアプタマー)を見い出し、このRNAアプタマーとTat蛋白質のモデル化合物(Tat蛋白質の部分ペプチド及びアルギニンアシド)との複合体の3次元立体構造を、NMRを用いて決定した。構造決定に際しては、水素結合をまたがったJカップリング値を観測する事により水素結合を直接的に証明する手法や残余双極子結合を用いて、長距離情報を得る手法を用い、より精密な結果を得た。Tat蛋白質の結合に際して、RNAアプタマーには大きな構造変化が生じ、この事によって、Tat蛋白質を高い親和性で捕捉する為のポケットが形成される。この様に、主体構造の決定により、高い親和性がもたらされるメカニズムが解明された。

研究成果

• [文献書誌] Yamamoto,R.: "A novel RNA motif that binds efficiently and specifically to Taf protein of HIV"Genes to Cells. 5. 371-388 (2000)
• [文献書誌] Tanaka,Y.: "NMR analysis of tertiary interactions in HDV ribozymes"Nucleic Acids Symp.Ser.. 44. 285-286 (2000)
• [文献書誌] Liu,H.: "NMR study of a novel RNA quadrupley structure"Nucleis Acids Symp.Ser.. 44. 65-66 (2000)
• [文献書誌] 片平正人: "テロメア配列DNA/RNA結合タンパク質hrRNP DOの立体構造と核酸構造遷移能"生物物理. 40. 326-330 (2000)
• [文献書誌] Yasuno,K.: "Interaction of the C-terminal domain of the E.coli RNA polymerase α subunit with the VP element"J.Mal.Biol.. (印刷中). (2001)
• [文献書誌] 片平正人(分担): "有機薬科学実験講座:創薬指向の分子設計"廣川書店. 253 (2000)