研究課題/領域番号 |
12470488
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
半田 哲郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00025719)
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研究分担者 |
中野 実 京都大学, 薬学研究科, 助手 (70314226)
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キーワード | 脂質ナノ粒子 / エマルション / キュボソーム / ヘキソゾーム / プラズマ蛋白質 / アルブミン / アポリポ蛋白質 / リポ蛋白質リパーゼ |
研究概要 |
全身投与型医薬品製剤として用いられる脂質ナノ粒子は、安全性と機能特異性という両立の困難な条件を満足する必要がある。本研究では、脂質の単分子膜を基本構造とする超微少脂質エマルションemulsionsの構築とあわせ、新規脂質粒子、キュボソームcubosomesやヘキソゾームhexosomesなどの非2分子型脂質粒子を開発し、以下の成果を得た。研究成果の一部は2001年のゴードン会議で発表した。 1.内部に脂質キュビック相やヘキサゴナル相を有する粒子径150nmのキュボソームやヘキソゾームの製造法を確立した(研究発表参照)。 2.その内部構造・分子の動的性質をX線小角散乱・NMRや蛍光分光法により明らかにした。この成果は2002年6月のスペインの国際学会で発表する予定である。 3.プラズマ蛋白質やアルプミンとキュボソームやヘキソゾーム相互作用の解明をおこない、リポソームやエマルションなどと著しくなることを見いだした(2002年春、国内学会で発表予定)。 4.動物実験システムを構築し、低分子モデル薬物がエマルション、キュボソームやヘキソゾームから著しく異なる挙動で放出されることが明らかになってきた。 5.脂質エマルションはその粒子径30nm、100nm、200nmにより生体との相互作用が変化することを明らかにした。すなわち、その血漿アポリポ蛋白質の選択制、リポ蛋白質リパーゼの活性の差異を引き起こすメカニズムを分子論的に解明した(研究発表参照、2002年フランスの国際学会で発表予定)。
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