研究課題/領域番号 |
12470489
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
多賀 徹 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00025694)
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研究分担者 |
黒田 義弘 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (90093236)
半田 哲郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00025719)
中川 照眞 京都大学, 薬学研究科, 教授 (70025708)
松本 治 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (10231599)
澁川 明正 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (30170913)
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キーワード | 表面プラスモン共鳴 / 生体超分子集合体 / 低密度血漿リポタンパク質 / 脂質2分子層 / 血漿アポリポタンパク質 / レセプター / アルツハイマー / シミュレーション |
研究概要 |
LDLの酸化修飾に伴う薬物結合能の変化を調べたところ、酸化時間の増加に伴って塩基性薬物との結合が増加することが判明した。LDL脂質成分の酸化修飾の影響を解明するために数種のモデルリポソームを調製して結合分析を行った結果、LDL酸化に伴う結合増大は正電荷の減少によって引き起こされ、アシル鎖構造変化の影響は小さいことが示唆された。平成13年度はLDLや他のモデルタンパク質の溶液構造と機能に関する研究を継続する。 新規脂質ナノ粒子、キュボソーム、ヘキソゾームの調整法を確立し、その性質をX線小角散乱法、動的光散乱法、およびNMR法により調査した。その結果を学会で報告あるいは学術雑誌に投稿した。今後SPR法などにより血漿蛋白質との相互作用を解明する予定である。また、血漿アポリポ蛋白質の部分構造モデルペプチドと脂質ナノ粒子の相互作用を熱力学的ならびに蛍光分光学的に調査し、脂質粒子とアポリポ蛋白質の分子認識機構を研究した。この結果も学会での報告と学術雑誌への投稿を準備中である。 7回膜貫通型受容体は、細胞内第三ループの部位には共通配列が見当たらないにも関わらずこれらの部位でG蛋白質を直接活性化するといわれている。GABAb受容体においてもこの部位で活性化するかどうかを検討するため、細胞内第三ループ14残基に相当する合成ペプチド(ICL3)を機能構造モデルとして取り上げ、活性を測定した。コントロールとして第二ループの21残基(ICL2)についても検討した。ICL3を相互作用させたとき、コントロールに対して4倍の活性上昇を示した。ICL2,ICL3の混合液の場合、両者の活性に加成性が見られた。本結果は生化学会で報告している。また、今回見出された活性ペプチドの立体構造解析を進めている。 さらに、生体膜とこれら生体分子との相互作用を調べるための大規模な分子シミュレーションプログラムを現在開発中である。
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