研究課題/領域番号 |
12470492
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大泉 康 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00006355)
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研究分担者 |
斉藤 真也 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80271849)
松永 公浩 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90222306)
中畑 則道 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60045804)
中谷 圭吾 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教務職員 (60281979)
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キーワード | 海洋天然物 / グラミン誘導体 / Ca^<2+>チャンネル / cAMP / ビスプラシン / Ca^<2+>遊離 / リアノジン受容体 / ユージストニン類 |
研究概要 |
近年、細胞情報伝達の研究は急速に進展しているとはいえ、多くの解決されなければならない問題を抱えており、特異性の高い薬理学的ツールの出現が望まれている。海洋天然生理活性物質の研究はまだまだ未開の分野であり、今後も新奇な化合物やユニークな生物活性を示す物質の発見も期待できるものと思われる。さらに、創薬研究における独創性の高いリード化合物そのものが単離される可能性も高く、研究の進展が期待されている。本研究では、海洋由来の細胞情報伝達系に作用する生理活性物質を探索し、それらを薬理学的ツールとして、さらに創薬のリード化合物として応用していくことを目的とする。これまでに、ホンダワラコケムシから得られた2種類のグラミン誘導体に顕著な血管平滑筋の収縮抑制作用を見出した。作用解析の結果、グラミン誘導体はCa^<2+>チャンネルを阻害することによって細胞内へのCa^<2+>流入を抑制していることを明らかにした。また、高濃度においては、細胞内cAMP濃度を上昇させることを見出した。海綿から単離したビスプラシンが骨格筋筋小胞体からのCa^<2+>遊離を促進することを見出した。詳細な作用解析の結果、ビスプラシンはCa^<2+>遊離試薬として知られているカフェインと同様の作用機構でリアノジン受容体を介してCa^<2+>遊離を惹起することが明らかになった。これまでの研究で既に我々が見出した筋小胞体からのCa^<2+>遊離を惹起する海洋天然物ユージストミンDの構造活性相関を検討したところ、β-カルボリン骨格の5位および7位にハロゲン原子が存在することがCa^<2+>遊離作用に必須であり、さらに9位のメチル基がこれらの誘導体のCa^<2+>遊離作用に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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