研究課題/領域番号 |
12470502
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
櫨木 修 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80142751)
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研究分担者 |
岡村 直樹 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (30144827)
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キーワード | イノシトールリン脂質3キナーゼ / インスリン / GTP結合タンパク質 / Gβγ / トランスアクティベーション |
研究概要 |
昨年度までの検討において、(1)インスリン受容体刺激によるPI3Kの活性化が細胞膜7回貫通型受容体であるFPRやA1Rからのシグナルによって増強されること(2)このFPR等からのシグナルは百日咳毒素感受性GTP結合タンパク質から遊離したGbetagammaによって伝達されていることを明らかにした。本年度の検討においては、一過性に発現させたmyc-Aktの酵素活性を指標として以下の結果をえた。(1)A1R等の刺激はmycAktのリン酸化と活性化をひきおこす(2)この変化は百日咳毒素やbetaARK-CTによって消失する(3)Aktの活性化はPI3Kの制御サブユニット(p85)の発現によって抑制される(4)AIR等からのシグナルはp110betaの不活性型変異体によって遮断されるが、p110alpha不活性型変異体の影響を受けない。以上の結果はGbetagammaのシグナルをAktに伝達する分子がp110betaであることを示すものである。このようなシグナルの発生にはEGF受容体チロシンキナーゼの活性化を伴うトランスアクティベーションの機構が働いているとの報告がある。我々もVero細胞を用いた検討で確かにそのような機構が存在することを確認した。一方、CHO細胞などにおける検討ではトランスアクティベーションの寄与は否定的であり、Gbetagammaによって伝達されるシグナルには未知の機構が存在していることが明らかとなった。
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