研究課題/領域番号 |
12470510
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
斉藤 和季 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00146705)
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研究分担者 |
青野 光子 国立環境研究所, 主任研究員 (10202491)
野路 征昭 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (80271534)
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キーワード | セリンアセチル転移酵素 / 硫黄同化 / ファイトリメディエーション / カドミウム耐性植物 / システイン生合成 |
研究概要 |
セリンアセチル転移酵素は硫黄同化系の重要な中間体O-アセチルセリンを供給する鍵酵素である。今回、植物を用いた環境汚染物質の除去(ファイトリメディエーション)を目的として、システインによるフィードバック阻害を受けないようにエンジニアリングした改良セリンアセチル転移酵素遺伝子を高発現させたトランスジェニックシロイヌナズナを作製し、そのカドミウム耐性を検討した。 <1.セリンアセチル転移酵素遺伝子を高発現するトランスジェニックシロイヌナズナの解析>___- 改良セリンアセチル転移酵素を細胞質、あるいは葉緑体に局在させたトランスジェニックシロイヌナズナについて、セリンアセチル転移酵素により生合成されるO-アセチルセリンを定量したところ、トランスジェニック植物ではO-アセチルセリンの量が野生型シロイヌナズナの数十倍に増加していた。それに伴い、システイン、グルタチオン量も野生型の数倍に増加していた。このことから改良セリンアセチル転移酵素遺伝子を高発現させた植物では硫黄同化能が高まっていると考えられ、含硫黄環境汚染物質や重金属に対する耐性が期待された。 <2.トランスジェニック植物におけるカドミウム耐性能の増強>___- 作製したトランスジェニックシロイヌナズナについて200Mカドミウムを含む培地で生育させカドミウムに対する抵抗性を検討した。その結果、葉緑体で高いSATase活性を持つトランスジェニックシロイヌナズナは野生型のものに比べカドミウムに対して著しい抵抗性を示した。一方細胞質で高いSATase活性を持つトランスジェニックシロイヌナズナのカドミウムに対する耐性は野生型と同程度であった。今後カドミウム添加時に生成される植物のファイトケラチン量の測定や、植物中に取り込まれたカドミウム量を測定することで、トランスジェニックシロイヌナズナにおけるカドミウム耐性機構を解明する予定である。
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