研究概要 |
【研究目的】本研究目的は、日常診療、研究に多忙な医療従事者や医学生などそのレベルや関心度に応じて、適切な教育効果が期待される災害医療,災害医学教育プログラムの開発、および日常の診療や膨大となった医学教育授業、研修の余暇を利用し,自己学習が可能なゲーム感覚で学習できるコンピューター・シミュレーションによる各種災害医療・医学教育プログラムの作成を行うこととした。 【本年度の研究実施計画】 平成12年度は地震時の災害医療における国内外の関連資料の収集・分析と、コンピューターへのデータ収録、さらに地震災害の初動期災害医療対応のシナリオ作成に必要な画像の収録・編集等を行うために、(1)阪神・淡路大震災時の医療対応に関する資料収集め再整理と分析、(2)それらから得られた災害医療対応の評価データ等のコンピューター収録、(3)地震災害の仮想災害モデルのシナリオ作成に必要な写真やビデオ映像等の収録・編集の作業、さらに(4)トルコ地震、台湾中部大地震、鳥取西部地震での災害医療対応に関する資料の入手、整理と分析等を行った。 【本研究によって得られた新たな研究等の成果】 上記の研究実施により、下記の成果が得られた。 (1)阪神・淡路大震災時の災害医療対応資料の再整理と分析により、医療従事者の職種別の教育・研修のプログラム作成の必要性が認識された。 (2)台湾中部大地震災害等海外の災害時初動対応資料の収集・分析を通じて、わが国の初動期対応の不備、すなわち多機関連携・調整を行う機関の設置が急務である。 (3)想定災害モデルの妥当性や普遍性等を情報工学,集団行動学の面からの検討を加味した地震災害の仮想災害モデルのシナリオ作成が必要性である。
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