研究分担者 |
古庄 知己 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (90276311)
和田 敬仁 信州大学, 医学部, 助手 (70359727)
涌井 敬子 信州大学, 医学部, 助手 (50324249)
村瀬 澄夫 信州大学, 医学部, 教授 (70200285)
久保田 健夫 山梨大学, 医学部, 教授 (70293511)
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研究概要 |
研究に利用可能な"疾患や臨床症状と関連した染色体均衡型構造異常(DBCRs)"症例として,既存症例も含めて54例を登録し細胞を保存した.そのうち複数の症例を選択して解析を開始した.以下に本年度すすめた研究概要の一部を記す.症例1:重症なPrader-Willi症候群(PWS)患者.FISH解析により,15pterから15q14までの欠失と22pterから22q11.2までの部分トリソミーの合併例と判明した.15q12欠失が原因の典型的なPWSには認めない顔貌の特徴は22q部分トリソミーによる効果と考えられたが,子宮内成長障害は通常PWSにも22q部分トリソミーにも認められない症状であり,この原因が15q13-q14に存在すると推察した(Matsumura et al.2003).症例2:発端者は3Pと9qに切断点のある均衡型相互転座を有する2型糖尿病患者.いずれかの切断点に糖尿病あるいはその原因に関係する遺伝子の存在が示唆された.それぞれの切断点を包含するDNAクローンを同定し,候補遺伝子を検索した.転座により断裂している遺伝子を含め,複数の候補遺伝子について染色体異常を伴わない2型糖尿病症例の遺伝子変異解析を行なったが,変異は見いだされなかった(投稿中).症例3:7qと10Pに切断点のある均衡型相互転座を有し,特発性中枢性思春期早発と精神運動発達遅滞を伴う患者,いずれかの切断点に病態と関係する遺伝子の存在が示唆された.それぞれの切断点を包含するDNAクローンを同定し,切断点付近から複数の候補遺伝子を見いだし,染色体異常を伴わない思春期早発症患者の変異解析を開始した.以前より研究継続していた瞼裂狭小症候群,軸後性鏡像多指趾については,他施設との共同研究により本年度,原因遺伝子同定に至った.
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