研究課題/領域番号 |
12470520
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
田宮 元 東海大学, 医学部, 助手 (10317745)
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研究分担者 |
小澤 明 東海大学, 医学部, 教授 (20096209)
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
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キーワード | RT-PCR / 転写産物 / アンチセンス RNA |
研究概要 |
これまでの解析でSEEK1遺伝子が乾癬感受性遺伝子であることが明らかとなった。しかしながら、このSEEK1遺伝子はその構造上の理由からタンパク質を発現しているとは考えにくく、転写産物(mRNA)のみを生成していると考えられた。SEEK1遺伝子はS遺伝子のアンチセンスにあるため、S遺伝子の発現にSEEK1遺伝子が関与していることが想定される。 そこで、S遺伝子のアンチセンスに相当するRNA、つまりSEEK1遺伝子の転写産物がどのような構造であるのか明らかにした。センスおよびアンチセンスプライマーを乾癬感受性領域に16ポジションに設定して表皮ケラチノサイトTotal RNAを鋳型として片鎖特異的なRT-PCRを行った結果、アンチセンス側ではほぼすべての領域において転写産物の存在が確認された。これまでの解析ではSEEK1遺伝子はエクソン8個から構成されていると考えていたが、イントロンと想定していたポジションにおいても転写産物が確認された。S遺伝子のアンチセンスに相当するポジションにおいて転写産物が確認されたことから、S遺伝子に対するアンチセンスRNAの影響が疑われた。 ほぼすべての領域でS遺伝子のアンチセンス側に転写産物が確認されたが、この実験ではその連続性が分からない。そこで、各ポジションのセンスプライマーにてcDNAを合成し、それぞれのcDNAを鋳型としてすべてのポジションでPCRを行った。その結果、すべて連続していると考えられる転写産物は確認できなかったが、少なくとも20種類以上の転写産物のバリアントが確認された。位置に依存したバリアントの長さなどの傾向は認められなかったが、確認された転写産物のバリアントのほとんどがS遺伝子のアンチセンスRNAとなることが明らかとなった。
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