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2001 年度 実績報告書

血液脳関門における神経伝達物質輸送担体遺伝子クローニングと生理機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12470522
研究機関東北大学

研究代表者

寺崎 哲也  東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60155463)

研究分担者 細谷 建一  富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (70301033)
森 しのぶ  日本学術振興会, 特別研究員
大槻 純男  東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (60323036)
キーワード血液脳関門 / 細胞膜輸送 / 神経伝達物質 / 輸送担体 / 遺伝子クローニング / 中枢解毒 / 条件的不死化細胞 / 脳毛細血管内皮細胞
研究概要

これまで血液脳関門は、脳内神経伝達物質を脳内に保持する役割を果たしていると信じられてきた。これに対して、本研究は血液脳関門が神経伝達物質を脳から排出する役割を果たしていることを分子レベルで解明することを目的とした。血液脳関門のin vitro modelとして条件的不死化マウス脳毛細血管内皮細胞株を用いた。酸性アミノ酸の一つアスバラギン酸(Asp)を立体選択的に選ぶNa^+依存的担体輸送系が機能していることを明らかにした。種々アミノ酸の阻害特性からASCTがその実体であることが示唆された。マウスASCTのcRNAをinjectionしたoocyteはL-Aspを輸送したがD-Aspをほとんど輸送しなかった。したがって、ASCTがその実体であることが示唆された。一方、抑制性神経伝達物質であるγ-アミノブチル酸(GABA)を脳から排出する輸送機能が血液脳関門に備わっていることが明らかにし、この輸送系はGAT-2/BGTIであることを論文発表した。さらに、ノルエピネフリンやセロトニンを運ぶ輸送担体が血液脳関門に発見していることをPCR,western blotting法、及び免疫組織学的手法によって明らかにした。この成果は投稿準備中である。血液脳関門における神経伝達物質輸送系の生理的役割としてrescue機能を有していると考えられる。正常時には、放出された神経伝達物質は神経細胞やアストロサイトなどで再取り込みを受けて不活化されるが、この機構が十分に働かなかった時に脳細胞間液中に蓄積されないように循環血液中へ排出する働きを担っていると推察される。このようにこれまでの通説を覆す、血液脳関門の新しい機能を遺伝子レベルで解明した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] K.Hosoya: "Activation of carrier-mediated transport of L-cystine at the blood-brain and bloodretinal barriers in vivo"Microvasc. Res.. 62. 136-142 (2001)

  • [文献書誌] H.Takanaga: "GAT2/BGT-1 as a system responsible for the transport of c-aminobutyric acid and the mouse blood-brain barrier"J. Cereb. Blood Flow Metab.. 21. 1232-1239 (2001)

  • [文献書誌] A.Kakee: "Efflux of a suppressive neurotransmitter, GABA, across the blood-brain barrier"J. Neurochem.,. 79. 110-118 (2001)

  • [文献書誌] K.Hosoya: "MCT1-mediated transport of L-lactic acid at the inner blood-retinal barrier: Possible route for delivery of monocarboxylic acid drugs to the retina"Pham. Res.. 18. 1669-1676 (2001)

  • [文献書誌] M.Tomi: "Diethyl maleate induces xCT gene expression and L-cystine transport activity at the inner blood-retinal barrier"Invest. Ophthal. Vis. Sci.,. (in press). (2002)

  • [文献書誌] A.Kakee: "In vivo evidence for brain-to-blood efflux transport of valproic acid across the blood-brain barrier"Microvasc. Res.. (in press). (2002)

  • [文献書誌] 細谷健一: "血液脳関門輸送系の分子機構と生理的役割"生体の科学. 52. 552-562 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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