研究課題/領域番号 |
12470528
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
中山 貢一 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (50112769)
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研究分担者 |
田辺 由幸 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (10275109)
小原 一男 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (60117611)
石川 智久 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (10201914)
浅野 敏雄 旭化成株式会社, ライフサイエンス総合研究所, 所長
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 血行力学受容・応答 / メカノトランスダクション / リン酸化 / プロテインキナーゼC / 低分子GTP結合タンパク / チロシンキナーゼ / インテグリン / イメージング / phosphorylation |
研究概要 |
心・血管系は血圧や血流などの血行力学因子に対して高感受性である。各種液性因子に加え、メカニカルストレスの受容と応答、即ちメカノトランスダクション機構は脂肪機能制御のみならず、血管攣縮、高血圧や動脈硬化および心肥大などの循環系疾患の発症とも深く関わる。 本研究は臨床的にも重要な脳・冠動脈や肺動脈におけるメカノトランスダクションをチロシンキナーゼ、プロテインキナーゼCおよび低分子GTP結合タンパクRho/Rhoキナーゼの相互作用の観点から研究した。その際、力学刺激入力分子(メカノセンサー)から、各種リン酸化反応や血管中膜平滑筋収縮およびに至る過程に関わる分子動態の可視化を試みた。 1.メカノセンサーの薬理学的特性 ガドリニウム感受性伸展活性化(SA)チャネル経路およびRGD-ペプチド感受性インテグリン経路およびL型Caチャネル(VOCC)の機械的特性について検討した。 2.メカノトランスダクションの時間薬理学:脳動脈の筋原性収縮発生過程において、Rho/Rhoキナーゼは収縮発生初期から、また、プロテインキナーゼCは収縮持続相において関与することを見いだした。 3.メカノトランスダクションと病態:実験的肺高血圧症や脳血管攣縮などの病態モデルにおいて、メカノトランスダクション機構とシグナル伝達における類似性が見いだされた。心・血管の収縮・弛緩によって生み出された血流や血圧などの血行力学因子が、心臓・血管系機能を制御するということが循環(circulation)の真の意味である。メカニカルストレスの受容・応答を分子・分子間相互作用で解明し、生物個体における各種生命反応や病態における意義を明らかにすることは、"循環系におけるメカノトランスダクションと薬物による制御"という課題に応え、さらには新規作用を有する薬物と再生臓器の開発への道につながる。
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