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2000 年度 実績報告書

誘導型サイワロオキシゲナーゼ2の血管新生における役割とその発現調節の治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 12470529
研究機関北里大学

研究代表者

馬嶋 正隆  北里大学, 医学部, 教授 (70181641)

研究分担者 畑中 公  北里大学, 医学部, 助手 (00228470)
川村 道子  北里大学, 医学部, 助手 (00154104)
林 泉  北里大学, 医学部, 助教授 (90172999)
藤田 朋恵  北里大学, 医学部, 助手 (20296510)
キーワードProstaglandin / cydoxyglnase-2 / angiogensis / VEGF / antisense oligo / prostaglandin E_2 / prostaglandin I_2 / sponge implants
研究概要

血管新生は、基底膜の分解から新生血管の形成に至る一連の生体反応であり、固形癌の増殖には必須の生命現象である。血管新生は、各種成長因子で調節されるが、prostaglandin(PG)も血管新生を増強する。本研究では、血管新生モデルを解析することに集中して、実際にどのPGが増強作用を持つかについて検討を加えた。また合せて関与するCOXの種類についても検討した。
ウレタン製スポンジ円盤をラットの皮下に移植し、その周りに増殖してくる肉芽組織の血管新生を定量化するモデルを用いて、生体内活性物質の血管新生に対する増強あるいは抑制効果を検討した。増殖性の炎症肉芽組織において比較的早期から誘導型のCOXすなわちCOX-2の発現が認められ(RT-PCR)、それによって生成されたPGE_2あるいはPGI_2、あるいはその両者が血管新生を増強させたことを選択的COX-2阻害薬の投与により明らかにした。このモデルでは、血管内皮増殖因子VEGFが内因性の血管新生増強因子として中心的役割を担っていることを、VEGF中和抗体、VEGFアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与により血管新生が有意に抑制されることから明らかにできた。スポンジにPGE_2およびPGI_2を局所投与すると、肉芽組織にVEGFが誘導され、それに伴って血管新生が増強する。免疫組織化学で調べると、COX-2を発現する細胞は遊走する血管内皮細胞とマクロファージであるのに対し、VEGFは血管周囲の繊維芽細胞に限られていた。すなわち、血管内皮と繊維芽細胞がmutualにPG、VEGFを産生しあって血管新生を増強していることが明らかに出来た。今後、実際に癌が増殖する際の血管新生に関与するPGの特定とその受容体の特定を、プロスタノイド受容体ノックアウトマウスで検討する基盤が出来た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Muramatsu M,Katada J,Hayashi I, 他: "Chymase as a proangiogenic factor.A possible involvement of chymase-angiotensin-dependent pathway in the hamster sponge angiogenesis model."J Biol Chem.. 275・8. 5545-5552 (2000)

  • [文献書誌] Majima M,Hayashi I,Inamura N, 他: "A nonpeptide mimic of bradykinin blunts the development of hypertension in young spontaneously hypertensive rats."Hypertension. 35・1. 437-442 (2000)

  • [文献書誌] Nakajima S,Ito H,Hayashi I, 他: "Inhibition of kinin degradation on the luminal side of renal tubules reduces high blood pressure in deoxycorticosterone acetate salt-treated rats."Clin Exp Pharmacol Physiol.. 27・1-2. 80-87 (2000)

  • [文献書誌] Majima M,Hayashi I, 他: "Cyclo-oxygenase-2 enhances basic fibroblast growth factor-induced angiogenesis through induction of vascular endothelial growth factor in rat sponge implants."Br J Pharmacol.. 130・3. 641-649 (2000)

  • [文献書誌] Suzuki T,Katori M,Fujita T, 他: "Involvement of the renal kallikrein-kinin system in K(+)-induced diuresis and natriuresis in anesthetized rats."Eur J Pharmacol.. 399・2-3. 223-227 (2000)

  • [文献書誌] Saeki T,Ohno T,Boku K,Saigenji K, 他: "Mechanism of prevention by capsaicin of ethanol-induced gastric mucosal injury-a study in the rat using intravital microscopy."Aliment Pharmacol Ther.. 14・1. 135-144 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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