研究課題/領域番号 |
12470529
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 教授 (70181641)
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研究分担者 |
畑中 公 北里大学, 医学部, 助手 (00228470)
川村 道子 北里大学, 医学部, 助手 (00154104)
林 泉 北里大学, 医学部, 助教授 (90172999)
藤田 朋恵 北里大学, 医学部, 助手 (20296510)
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キーワード | cyclooxygenase / prortag landin / Ep3 Haptor / ungio genesis / Knockout nice / VEGF / ordo Hnelial cell / fibroblast |
研究概要 |
マウススポンジ血管新生におけるPG受容体シグナリングの解析成績: 選択的EPレセプターアゴニスト投与時のddyマウスにおけるスポンジ血管新生肉芽組織中VEGFおよびEP3のmRNAベレルをRT-PCRで調べた。EP2、EP4アゴニストの局所投与でVEGF発現量の増加が認められたが、EP1アゴニストではVEGF発現量に変化はほとんど見らなかった。最も血管新生増強作用が強いEP3アゴニストでは、EP2、EP4アゴニストの局所投与例に比べ、VEGFの発現量の著しい増加が認るられた。主たるVEGF発現細胞は、免疫組織化学で確認すると、肉芽組織内のfibroblast様の細胞であった。 内因性のPGE2の役割を調べるために、EP3ノックアウトマウスおよびワイルドタイプマウスの背部皮下にスポンジを移植し、その時形成される肉芽組織の重量および肉芽組織内ヘモグロビン濃度を経時的に調べると、ワイルドタイプでは、血管新生がスポンジ移植後、1-2週間で迅速に進行するのに対し、EP3ノックアウトマウスでは、血管新生の進行が遅ぐまた肉芽組織重量もEP3ノックアウトマウスで有意に低値を示した。 移植後3日目の肉芽組織中のVEGF発現量をnorthern blotで調べると、明らかにワイルドタイプマウスでEP3ノックアウトマウスに比べ発現は増強していた。スポンジ内滲出液中のPGE2レベルは、ワイルドタイプマウス移植後3日目で180±20Pg/spongeであり、EP3ノックアウトマウスでは310±100pg/spongeであって、両者の間には有意な差はなかった。それぞれの値は、インドメタシン10mg/kgの腹腔内前投与(2時間前)で、十分の一以下まで著明に減少した。 スポンジ移植時に形成される肉芽組織にCOX-2が発現し、それがVEGF発現の増強を介して実際に血管新生を増強することを報告してきたが、今回の検討で、EP3受容体を介するシグナルが、実際に血管新生の増強に重要な役割を果たしていることが明らかにできた。
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