マルチメディア技術を活用し、パソコン上で対話形式により看護研究の方法論(量的研究が主体)を学習し、実施を支援するための自己学習支援ソフトを開発した。看護研究に関する学習内容(コンテンツ)の作成では、Holzemer(UCSF)らが開発したソフト「Introduction to Research」を著作権者の許可を得て翻訳し、これを基礎として発表者らの作成した統計支援システム等を統合して作成した。オーサリングツールとしては、エデュカートリッジ・データシステム(開発t(株)メディアファイブ)を採用した。本システムは人間工学を基盤に、パソコンにより、知識の習得、重要事項の整理、習熟訓練による知識の定着、達成度評価を効果的に実現するためのツールであり、任意の時点・場所でのマイペースで意欲的な学習を支援する。基本的には電子教科書、電子単語帳および電子問題集の組み合わせからなり、学習方法として、学習者の理解度に応じた総合的な学習支援モード、ゲーム感覚で楽しみながら重要用語を学習するモード、特に自分の苦手な部分を重点的に学習するモードの3種類が選択できる。さらに、独自教材作成機能、自動問題作成機能、検索機能、画面印刷機能等の機能も備えている。本ソフトの特徴として、(1)看護研究の自己学習支援ソフトとしては、わが国で初めて作成されたものであること、(2)マルチメディア(音声、画像、テキスト等)を生かしたインタラクティブな教材であること、(3)学習の理解度を即時に評価でき、自分の達成度に即した学習が可能になることが挙げられる。将来的には、Webの積極的な利用(新規コンテンツの配信、一元的な学習履歴・成績管理等)、動画技術の活用、学習者相互の交流の実現等を課題としている。
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