研究課題/領域番号 |
12470536
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
渡辺 文子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (60141230)
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研究分担者 |
北園 明江 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (10316127)
神宝 貴子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (40305777)
奥山 真由美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (30293294)
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キーワード | 痴呆性高齢者 / グループホーム / 運動 / アクティビティ / 行動特性 |
研究概要 |
平成13年度までの研究結果から、グループホーム(以下GH)利用者は、GHの生活になじみ、精神的に安定してきたことや、その人らしさを保持していることがわかった。一方で、老化や痴呆の進行による身体機能の低下とりわけ下肢の筋力低下がみられ、ケア介入の必要性が示唆された。そこで、アクティビティの一環として下肢の筋力維持、向上に重点をおいた運動を計画、実施し、利用者の行動特性からその有効性や、GHで生活する痴呆性高齢者に対する運動介入の意義について検討した。A市内のB-GHの利用者9名を対象に、研究者が作成した運動プログラムを実施した。研究者2名ずつが週1回、午後1時30分から2時間GHを訪問し、2時頃より20分程度運動を実施した。対象となる日数は6日であった。評価は、利用者の行動特性と、AC評価表(六角による)の得点の変化から行った。その結果、行動特性では、総コード数237、4カテゴリー、12サブカテゴリーから構成された。運動実施に伴う行動特性として、【動きが出る】、【意欲的に行う】、【感情表出】、【交流する】の4つのカテゴリーが創出された。これにより、利用者の潜在的な運動能力や運動に対する興味・関心、意欲や集中力が確認された。同時に、運動中は感情表出や他者との交流の増加なども観察され、実施した運動プログラムは痴呆症状の維持・改善に寄与できることが示唆された。また、AC評価表による評価では、積極的に運動に参加した者に、実施中の積極性や集中度、コミュニケーション、表情の点数が高い傾向にあったことから、運動実施の導入時には利用者の意欲を引き出す必要性があると考えられた。今後は、実施内容や実施方法の再検討を行い、GHで生活する痴呆性高齢者のQOLを高めるためにも、楽しく身体を使った運動プログラムの実践と量的質的評価を行っていきたい。
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