研究課題/領域番号 |
12470538
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
菱沼 典子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (40103585)
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研究分担者 |
大久保 暢子 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (20327977)
横山 美樹 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (70230670)
香春 知永 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (30194947)
山本 真千子 宮城大学, 看護学部, 教授 (20295380)
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キーワード | 看護技術 / 自立神経活動 / CGSA法 / ウエーブレット解析 / 背面開放座位 / 運動習慣 / 腰背部温罨法 |
研究概要 |
本年度は、1.背部を開放させて座る背面開放座位の自律神経活動への影響を健康人を対象とした実験結果より総括することと、遷延性意識障害患者の生活行動向上への有効性を検討すること、2.運動習慣の有無が自律神経活動に与える影響を健常者で測定し、心疾患患者が運動習慣を持つことにより活動時の自律神経活動異常を防止し、疾患憎悪・再発防止に繋がるケアの開発につなげる基礎データを得る示唆を得ること、3.ウエーブレットを用いて看護ケアによる自律神経系の反応を測定できるか否かを検討し、腰背部温罨法による変化を測定することであった。 1.背面開放座位の実験結果を総括した結果、1)両足底の床面接地、2)頚部の自力保持、3)更に背面開放することが交感神経活動の活発化、副交感神経活動の抑制を促した。よって以上の3視点が自律神経活動への影響因子と考えられた。遷延性意識障害患者の座位時も3因子を重視することで自律神経活動に影響を及ぼし、生活行動向上を促進出来ると考えられた。2.20代健常女性で運動習慣あり群11名、運動習慣なし群9名を対象とし、活動として心疾患患者がリハビリとして使用する起立負荷試験を用いた。起立負荷試験は水平安静仰臥位15分、75度受動起立15分、水平安静仰臥位15分を行い、各5分間をデータとした。測定項目はCGSA法による交感神経活動と副交感神経活動であった。結果、運動習慣のある群が運動習慣のない群よりも、安静仰臥位時には迷走神経系リザーブを多く保ち、起立負荷試験75度において交感神経活動の興奮を抑制した。運動習慣のある健常者が迷走神経リザーブを多く保っていた事から、日頃の外的ストレスからの自己防御機能を高めることが明らかになり、心疾患患者における運動習慣が自律神経活動改善に繋がる示唆を得た。3.臨床患者11ケースで腰背部温罨法を実施時のウエーブレットでの自律神経活動を測定した。これに先立ち、看護ケアによる影響が、ウエーブレット解析ではどのように出現するかを検討し特徴あるパターンが抽出された。以上の結果と過去2年間の結果を踏まえながら現在、報告書を作成中である。
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