研究分担者 |
曽根 博仁 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30312846)
金 憲経 東京都老人総合研究所, 疫学部門, 主任研究員 (20282345)
中村 榮太郎 京都大学, 総合人間学部, 教授 (00026808)
中塘 二三生 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (50079125)
竹島 伸生 名古屋市立大学, 自然科学教育センター, 助教授 (00137126)
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研究概要 |
高齢者のサクセスフル・エイジングに繋がる生物学的活力の評価に向けて,以下の研究目的を設定した。【研究目的1】10〜15年前に測定対象とした中高年者の総合的健康水準(田中らが1990年に提案した活力年齢)を再度測定し,対象者の運動習慣やその他のライフスタイルの調査結果と併せて,「運動の習慣化が若返りを可能にする」という仮説を検証する。【研究目的2】運動がもたらす身体諸機能の老化遅延効果を検証するために,QoLを支える主要な柱の一つである生物学的活力を評価する高齢者用の妥当な指標を作成する 研究1の対象者(30名)は,運動開始前は活力年齢が暦年齢を上回っていた(すなわち,老化が進んでいた)。しかし,運動プログラムに参加するようになって3ヵ月ほどで有意に若齢化し,暦年齢よりも活力年齢が若くなった。その後,10〜15年間にわたり運動を継続した結果,加齢とともに活力年齢も年を重ねたが,平均値は暦年齢を上回ることはなかった。また,活力年齢の増加ペースは,暦年齢のそれよりも遅く,運動の習慣化によって老化速度の遅延することが示唆された 研究2では,従来の活力年齢をベースとしながらも,加齢とともに罹患率の高まる骨粗鬆症に関する情報を含めながら,より高い年齢層のデータ収集を進め,高齢者の老化度を評価する高感度の「新活力年齢」の提案を試みた。対象者は,35〜79歳の男性91名と32〜77歳の女性134名の合計225名であった。測定項目は49項目あり,暦年齢との相関行列,相関行列に対する主成分分析を施すことによって,老化の基本過程を表すと考えられるprimary aging factorの抽出を試みた。その結果をもとに,より少数の変量を選び出し,再び相関行列を求め,主成分分析を施すことによって新しい老化度指標(新活力年齢)を作成した。
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