研究概要 |
本年度は,これまでの研究成果をタイトル「A LONGITUDINAL STUDY ON THE DEVELOPMENT OF RUNNING MOTION IN FEMALE CHILDREN」で国際学会(International Society of Biomechanics X IX th Congress ; 6-11 July 2003,Dunedin, New Zealand)にて発表(研究分担者である宮丸凱史との共著)した.その主な要旨は以下のとおりである. 走り始めてから6歳までの間で走運動の発達は,(1)走運動成就以降において側性に依存した発達がみられたこと,(2)足先の外輪や膝の外転の動きが減少したこと,(3)膝関節を中心とした上下方向の屈曲伸展動作から次第に脚を前後に動かすような走動作へ変容したことが示唆された. 本研究は,走運動が成就されていない幼児を対象に移動運動を撮影し,最初の走運動を確認してから継続的に半年ごとに2台のビデオカメラを設置してDLT法を用いて3次元で記録(60fbs)してきた.これまで男女合わせて12名の幼児の最初の走運動をとらえており,その内4名は小学校に就学するまで約5年間にわたり,走運動の発達を縦断的にとらえてきた.とくに最初の走運動がみられてから就学までの期間は走動作の顕著な変容・改善だけでなく,リープ動作などの特徴的な移動運動がみられ,幼児期における運動発達の特徴を理解する上で有益な示唆が得られるものであった.
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