研究課題/領域番号 |
12480016
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
吉田 容子 摂南大学, 国際言語文化学部, 講師 (70265198)
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研究分担者 |
加藤 政洋 流通科学大学, 商学部, 講師 (30330484)
福田 珠己 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (80285311)
大城 直樹 神戸大学, 文学部, 助教授 (00274407)
影山 穂波 摂南大学, 国際言語文化学部, 講師 (00302993)
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キーワード | ジェンダー / フェミズム / 空間 / 都市 / 景観 / 建造環境 / 表象 / ローカル・アイデンティティ |
研究概要 |
昨年度に引き続き、本年度は以下の成果を得た。吉田:都市空間にいかにジェンダー関係が投影されているかを、高度経済成長期につくられたニュータウンや、近年「女性にやさしい街づくり」をコンセプトにした住宅街を事例に検討した。また、都市空間をフェミニスト的視点から分析した英語圏の先行研究のレビューにも着手した。研究成果の一部は、2001年9月の人文地理学会経済・都市地理研究部会で発表した。大城:女性労働力が顕在化される景観の一つとして沖縄那覇の市場を研究対象とするとともに、より広いコンテクストで理解するため、アジア諸国における形態と内容を把握すべく、沖縄と昨年度調査を行ったラオスとの文化比較に着手した。研究成果の一部は、神戸大学史学年報および南太平洋海域調査研究報告で発表した。福田:博物館等における地域表象とアイデンティティ・ポリティクについて、「誰が、誰のために、何を、どのように」記録・保存・展示してきたかに焦点をあてて研究を進めた。特にアメリカにおける事例研究としてイロコイ族と女性に着目した。成果の一端は2001年夏に口頭発表した(現在、論文を印刷中)。また博物館や文化財保存に関して、フェミニスト的視角からアプローチした先行研究(主に英語圏)のレビューにも着手した。加藤:現代都市におけるジェンダー表象と場所イメージの構築過程の関わりを明らかにする試みを行った。とりわけ現代都市の商業空間におけるジェンダー分業とその表象、またそうした空間を消費する街のユーザーたちのジェンダー化された空間的実践を論じるための理論的な作業の一つとして、地理思想のなかで特異な位置を占めている時間地理学について、表象の不可能性という観点から再考した。流通科学大学論集および『思想』に研究成果を発表した。影山:女性が主体となって形成された都市居住空間の分析として、昭和初期の住宅供給の動向を検討した。特に中間層向け住戸の供給と、女性たちの社会動向とに注目して研究を進めた。また、欧米のフェミニスト地理学の研究動向についても検討した。この他、研究分担者が共通の空間認識を持てるよう、英国地理学著ドリーン・マッシーの文献をテキストにして研究会を行った。また研究協力者(主に大学院生)を交えた研究会も開き、地理学におけるフェミニスト的視角をめぐる議論を深めた。なお、本年度から影山が研究分担者に加わったが、所属研究機関への着任初年度でもあったため、PCや研究関連図書の整備に重点を置いた。
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