大規模堆積平野縁の第一級活断層に伴う変位地形と地下構造に関する研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12480019
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 岡田 篤正 京都大学, 理学研究科, 教授 (90086174)
• 研究分担者: 福田 洋一 京都大学, 理学研究科, 助教授 (30133854) ; 堤 浩之 京都大学, 理学研究科, 助手 (60284428) ; 竹村 恵二 京都大学, 理学研究科, 助教授 (00201608) ; 戸田 茂 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40293732) ; 伊藤 康人 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (20285315)
• キーワード: 大規模堆積平野 / 地下構造 / 活断層 / 反射法地震探査 / 重力探査

研究概要

平成12年度は特に濃尾平野西縁の養老・桑名断層系北部と桑名市東部の桑名断層系を調査した。
・濃尾平野西縁の微地形判読から、沖積平野に最新の断層活動として歴史時代の可能性がある変位地形が指摘された。その結果は岡田・東郷編の「近畿の活断層」(東京大学出版会,2000)に紹介されている。また、この変位地形をまたぐ測量やS波反射法地震探査を実施し、現在解析中である。
・桑名断層系では員弁川沿いで約8kmの測線でP波反射法地震探査を実施し、桑名断層をはさんだ丘陵と平野の境界の地下構造の概略があきらかにされた。また、この測線沿いで重力探査も実施した。
・養老・桑名断層系について、従来から実施されてきたボーリング資料をチェックし、保存されているコア試料について予備観察を実施し、今後の詳細分析についての準備を行った。
他の堆積盆地についての研究は下記のとおりである。
・大阪平野を含む堆積盆地について、深層ボーリング資料を用いて盆地内での断層ブロック運動の形態についてまとめ、報告した。また、浅層ボーリングデータベースを用いて、神戸・阪神地域の地下構造を明らかにするとともに、浅層での変位構造について報告した。
・京都盆地で実施された反射法地震探査測線に沿った重力測定を150m間隔で実施し、反射法による地下構造と重力による地下構造比較を行った。また、約250mメッシュで京都盆地全体の重力測定を実施した。
・琵琶湖西岸断層系堅田断層において、今年度購入したパーカッション採土器を用いて、予察的なボーリング調査を実施した。
・富山平野、福井平野、金沢平野などの情報収集を行った。

研究成果

• [文献書誌] 岡田篤正: "活断層調査の現状と課題"第四紀研究. 39. 283-288 (2000)
• [文献書誌] Okada,A. et al.: "Holocene activity and subsurface structure of the Median Tectonic Line active fault system in the Tokushima Plain, eastern Shikoku."Active Fault Research for the New Millennium Proc.Symposium. 343-348 (2000)
• [文献書誌] Itoh,Y.,Takemura,K.,Ishiyama,T.,Tanaka,Y.and Iwaki,H.: "Basin formation at a contractional bend of a large transcurrent fault : Plio-Pleistocene subsidence of the Kobe and northern Osaka Basins, Japan"Tectonophysics. 321. 327-341 (2000)
• [文献書誌] 三田村宗樹,竹村恵二,北田奈緒子,斎藤礼子: "試錘資料からみた神戸-阪神間の地域の地下地質"第四紀研究. 39. 319-330 (2000)
• [文献書誌] 川畑大作,岡田篤正,竹村恵二: "50mメッシュEM影図による活構造の抽出"情報地質. 11. 183-188 (2000)
• [文献書誌] Fukuda,Y.,Itahara,M. et al.: "Crustal movements around the Beppu Bay area, East-Central Kyusu, Japan, observed by GPS 1996 1998."Earth Planets Space. 52. 979-984 (2000)
• [文献書誌] 岡田篤正,東郷正美(編著): "近畿の活断層"東京大学出版会. 408 (2000)
• [文献書誌] 岡田篤正: "地形・地質からみた活断層とその最新の研究課題"深田地質研究所. 51 (2000)