研究概要 |
平成12年度の研究成果は次の通りである。 1.購入した3次元デジタイザの計測値をパソコンへ自動入力,保存できるようにした。 2.101名の成人男子右胴部の石膏体雌型を作製,設定した基準の181点の3次元座標値を3次元デジタイザで計測,鏡面写像法を用いて全身座標値を求めた。胴部体表面を三角形近似多面体として,各頂点での"角度θ"から点集中のガウスの曲率Kc(2π-Σθ:可展面か非可展面かを判断)と点集中の測地的曲率kc(π-Σθ:境界線の展面面の形状を示す),及び点集中の平均曲率Mc(Σφ^1/2×L^1…Σφn/2×Ln)/2:曲面の折れ具合を判断)の3つの曲率を算出,各曲率の組み合わせによる曲面形状から,男子の胴部曲面形状の特徴を把握した。各頂点での曲率を色表示と境界線のkcの展開図をシミュレーション化して,視覚的にも個々の体形情報が提供できるようにした。 3.3次元上での衣服設計として立体裁断の自動化を図った。上下判定法による凸包から体表面の凸点を抽出して凸面を形成,非凸点を凸面に垂直写像及び法線写像して胴部体表面と同様の近似多面体を"密着包衣"として自動算出してシミュレーションで示した。胴部体表曲面と同様に3つの曲率での特徴とその色表示と展開図を作成して,胴部体表面と比較したときの密着包衣の特徴もシミュレーションで示した。胴部体表曲面と密着包衣との間の空隙量を体積で算出,着心地情報として提供可能とした。 4.また,体表面の基準線の"長さ"を抽出して胴部形状を把握し,長さにより立体裁断的密着衣服原型を既に開発していた予測式を用いて自動平面製図し,ダーツなどの角度の曲率により形状の特徴把握の準備を進めている。 13年度はモデル数を増やし3次元体表面および密着包衣,密着衣服原型の曲率と長さによる体形要素の抽出をして,体型分類へと発展する予定である。
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